2014 Fiscal Year Annual Research Report
sTLRに着目した難病劇症肝不全に対する新治療法の開発と国際研究拠点の構築
Project/Area Number |
24591888
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
田邉 稔 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (50197513)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 真之 慶應義塾大学, 医学部, 助教 (30573414)
篠田 昌宏 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (50286499)
西山 亮 北里大学, 医学部, 助教 (70528322)
高柳 淳 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (80245464)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | HMGB1 / sTLR / 遺伝子治療 |
Outline of Annual Research Achievements |
当グループでは核内タンパクであるHMGB1に着目し、HMGB1が劇症肝不全におけるkey mediatorであること、また大小の動物実験モデルにおいて抗HMGB1抗体を用いてHMGB1を抑制することが絶大な治療効果をもたらすことを発見してきた。そこでHMGB1やその受容体に着目し、遺伝子治療、細胞移植、体外循環治療などの特殊技術を絡めて劇症肝不全の新たな治療法の開発をこれまでに進めてきた。 本実験では細胞膜上に存在するHMGB1の受容体TLRと血液中に存在する可溶性タンパク部分sTLRに着目し、sTLRがHMGB1による細胞内炎症シグナル伝達を阻害するという仮説をたてた。実際各種炎症モデルにおいて、sTLRのリコンビナントタンパクが病態改善効果を発揮するという報告が散見されている。 そこでsTLRを臨床応用可能かつHMGB1阻害に重要なkey mediatorと位置付けアデノウィルスベクターを用いた遺伝子導入、及びそれに引き続いてsTLR 産生性肝細胞を用いた細胞移植、sTLR 産生性肝細胞内臓リアクターを用いた体外循環治療を計画することとした。 しかしsTLRを産生するアデノウィルスベクターの完成には至らなかった。 その代わりに①HMGB1阻害タンパクA boxのウイルスベクター 及び ②HMGB1の受容体RAGEの可溶性タンパク部分sRAGEのプラスミド の作成に成功しそれぞれを用いた遺伝子導入によってラット劇症肝不全モデルの病態改善効果を示すことができた。
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Research Products
(5 results)