2012 Fiscal Year Research-status Report
癌免疫療法に用いる治療用細胞のリアルタイム抗腫瘍活性評価システムの開発
Project/Area Number |
24591908
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
森崎 隆 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 共同研究員 (90291517)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大西 秀哉 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (30553276)
片野 光男 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (10145203)
今泉 晃 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 共同研究員 (30624051)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | がん / 免疫療法 / リアルタイム評価システム / 抗腫瘍活性 / 定量的評価 / リンパ球 / 樹状細胞 / ベッドサイド |
Research Abstract |
研究の目的は、細胞・免疫療法の標準化を目指して、ベッドサイドにおいて治療用細胞の抗腫瘍活性をリアルタイムに定量的に評価するシステムを開発することである。 平成24年度の計画(治療用細胞の定量的リアルタイム抗腫瘍活性システムの確立)に沿って研究成果の概要を記載する。 1)リンパ球機能評価システム作成:腫瘍細胞あるいはリンパ球を蛍光標識し、24時間撮影可能な蛍光顕微鏡に接続し、個々の細胞の運動能および傷害を径時的・定量的に測定するシステムを開発した。さらに、実際に、この動画のDVDを作成し、患者説明用資料(リアルタイムカルテ)として配布した。 2)樹状細胞機能評価システム作成:上記と同様のシステムを用いて、樹状細胞のCTL誘導能を測定し、実際の治療患者の説明に利用するシステムを開発した。 3)併用抗がん剤選択システム:上記システムを用いて、抗がん剤の選択および投与時期の決定に応用した。 4)マウスによる検証:上述のように、マウスではなくインフォームドコンセント取得患者に対し、システムの解析結果を治療説明に使用し、治療の指針として利用した。臨床的な意義については今後の解析結果を待つ必要がある。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要で記述したように、24年度の計画案は全て基本的には遂行できた。特に、24年度に開発した「治療用細胞の定量的リアルタイム抗腫瘍活性システム」を用いて、25年度に計画していた定量的リアルタイム抗腫瘍活性システムの症例への応用を前倒しで実行した。これにより、患者と共に動画を見ながら治療説明および治療法を選択する医師・患者共用の次世代のカルテ(リアルタイムカルテ)開発の可能性が示された。このシステムは、実際の治療法選択決定に有効であることを示す症例に遭遇した(論文作成中)。すなわち、26年度計画の一端を検証することができた。
|
Strategy for Future Research Activity |
上述のように、24年度中に25年度の計画の一部を前倒しで遂行することが可能となった。 したがって、25年度は、①24年度に開発した治療用細胞の定量的リアルタイム抗腫瘍活性システムの改良、および、動物での検証、②25年度計画である本システムの患者治療への導入(治療説明、治療法決定)に焦点を当てて研究を進める。③加えて、当初の計画案にはなかった本システムの研究領域への応用(新規治療法開発、治療メカニズム解析)の可能性(ベッドサイド研究室)を検証する。さらに、④26年度計画である本システムの臨床的意義の検証のための準備を整える。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究実績に記載したように、24年度中に本システムを用い動画を見ながら患者へのリアルタイムの治療経過説明が可能となった。したがって、本システムにより撮影された動画のDVDを作成し、患者へ提供するための費用として24年度費用の一部を25年度へ繰り越すことにした。
|