2013 Fiscal Year Research-status Report
癌免疫療法に用いる治療用細胞のリアルタイム抗腫瘍活性評価システムの開発
Project/Area Number |
24591908
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
森崎 隆 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 共同研究員 (90291517)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大西 秀哉 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (30553276)
片野 光男 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (10145203)
今泉 晃 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 共同研究員 (30624051)
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Keywords | がん / 免疫療法 / リアルタイム評価システム / 細胞障害活性 / 定量的評価 / 活性化リンパ球 / random migration |
Research Abstract |
研究の目的は、細胞・免疫療法の標準化を目指して、ベッドサイドにおいて治療用細胞の抗腫瘍活性をリアルタイムに定量的に評価するシステムを開発することである。 平成25年度の計画(定量的リアルタイム抗腫瘍活性評価カルテの症例への応用)に沿い、研究結果の概要を記載する。 1)リンパ球機能評価システムの検証:患者末梢血単核球より誘導した細胞療法に使用する活性化リンパ球のmigration能力を従来の3マイクロメートルのフィルターを通過させ通過した細胞数を計測する方法と、リアルタイムにタイムラプス撮影を行い、migrationの速度を計測する方法の2通りで解析し、両者で殆ど同等の結果が得られることを確認し、リアルタイムのタイムラプス撮影によるリンパ球機能評価システムの妥当性を確認した。2)経時的リアルタイム抗腫瘍活性評価システムの検証:さらに、膵臓癌細胞を標的としたリンパ球の細胞障害活性を検討する実験では、WST-8を用いた従来の計測法と標的癌細胞を蛍光標識し、細胞障害活性を蛍光強度の減弱で評価するタイムラプス撮影による計測法とで、同等の結果が得られることを確認した。本実験の中で、活性化リンパ球に発現するsphingosine-1 phosphate receptor-1がrandom migration能に関与しており、アンタゴ二ストの投与によりrandom migration能が低下し、細胞障害活性が低下すること、即ち、活性化リンパ球のrandom migration能と細胞障害活性が相関する可能性を見出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上述の通り、25年度は計画していた1)リンパ球機能評価システムの検証、および2)経時的リアルタイム抗腫瘍活性評価システムの検証、を行い、活性化リンパ球のrandom migration能と細胞障害活性が相関する可能性を見出すなど、「治療用細胞の定量的リアルタイム抗腫瘍活性評価カルテ作成」を実現するために有望な結果が得られた。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度は、活性化リンパ球のrandom migration能と細胞障害活性との相関をマウスを用いた治療実験で確認すること、および、治療中の患者リンパ球(胸腹水、原発巣、転移巣より)を回収し、定量的リアルタイム抗腫瘍活性能評価法を用いて、臨床結果(腫瘍縮小、病勢コントロール、生存期間)との関連解析を実施する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
25年度は、マウスを用いた治療実験まで行う予定であったが、時間的制約のため、実施出来なかったため、この実験に必要な研究費を26年度に繰り越した。 26年度は、活性化リンパ球のrandom migration能と細胞障害活性との相関をマウスを用いた治療実験で確認することに次年度使用額を使用する予定である。
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