2012 Fiscal Year Research-status Report
甲状腺癌発症の新規分子メカニズムの解明と分子標的療法
Project/Area Number |
24591919
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Chubu University |
Principal Investigator |
武田 湖州恵 中部大学, 生命健康科学部, 准教授 (80345884)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川本 善之 中部大学, 生命健康科学部, 准教授 (10410664)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | チロシンキナーゼ / RET |
Research Abstract |
本研究は、がん遺伝子産物RET/PTC1活性化の新しい分子機序の詳細を解明し、この活性化を制御することによる甲状腺癌の新規治療法を提案することを目的として進めている。 現在は、特に重要であると思われる治療法の検討に重点を置いている。 申請者らがこれまで提唱してきた、RETキナーゼの活性化に重要なシステインを利用し、試験管内、細胞内の両方でRETキナーゼの活性を抑制するペプチドが確認された。 これにより、これまでの多くのチロシンキナーゼ阻害剤と全く異なった、システインを介する新しい阻害剤の可能性が示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
システインを介するRET/PTC活性の制御に関しては、試験管レベルでRETキナーゼの活性を抑制するペプチドが確認された。また、当初計画では翌年以降の予定であった、細胞に対する効果に関しても、試験管レベルで有効であったペプチドが、細胞内に発現させた場合でもRETキナーゼの活性を抑制することが確認された。 一方、活性化の新しい分子機序の解明に関しては、特定のシステインによるS-S結合の直接の証明はできていない。
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Strategy for Future Research Activity |
RET/PTC活性の制御に関しては、候補ペプチドを細胞内に発現させた場合でもRETキナーゼの活性を抑制できる可能性が示されたので、細胞のがん化に対する効果を評価していく。細胞での効果が認められれば、当初計画どおり、マウスを使用した研究を行う予定である。 RET/PTC活性化の新しい分子機序の解明に関しては、投与したペプチドが本当にRETに結合しているのか。その結合様式が、特定のシステインによるS-S結合なのかを確認していく予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成24年度の実験が効率よく進んだ結果、消耗品の支出が予定より少額となった。 このため24年度に予定していた物品の購入は、平成25年度研究計画の予算と合わせて行うこととした。 新しい治療方法が細胞レベルで有効であれば、動物実験を行うことを計画しており、そのためのマウスの維持が必要になる。 研究代表者・分担者・協力者に加え、これらの広範囲の研究を迅速に進めるためには研究補助員の労力が必要となる。 研究推進の順序が若干当初計画とは異なっているが、全体として研究費の使用計画には大きな変更はない。
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