2013 Fiscal Year Research-status Report
甲状腺癌発症の新規分子メカニズムの解明と分子標的療法
Project/Area Number |
24591919
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Research Institution | Chubu University |
Principal Investigator |
武田 湖州恵 中部大学, 生命健康科学部, 准教授 (80345884)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川本 善之 中部大学, 生命健康科学部, 准教授 (10410664)
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Keywords | チロシンキナーゼ / RET |
Research Abstract |
本研究は、がん遺伝子産物RET/PTC1活性化の新しい分子機序の詳細を解明し、この活性化を制御することによる甲状腺がんの新規治療法を提案することを目的として進めている。 現在は、特に重要であると思われる活性化制御の方法検討に重点を置いている。 申請者らがこれまで提唱してきた、RETキナーゼの活性化に重要な特定のシステイン周囲の配列を利用し、RETキナーゼの活性を抑制するペプチドが、細胞内でも同様に働き、細胞のがん化を抑えた。さらにマウスに移植した腫瘍の増殖も抑制できることが確認された。これにより、これまでの多くのチロシンキナーゼ阻害剤と全く異なった、システインを介する新しい阻害剤の可能性が示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
システインを介するRET/PTC活性の制御に関しては、試験管レベルでRETキナーゼの活性を抑制するペプチドが、細胞でもRETキナーゼの活性を抑制することが確認された。また、当初計画では翌年以降の予定であった、ヌードマウス移植実験においても、RETキナーゼの活性を抑制するペプチドが、腫瘍形成を抑制できる結果を得ている。 一方、RET/PTC活性化の新しい分子機序の解明に関しては、いまだ特定のシステインによるS-S結合の直接の証明はできていない。
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Strategy for Future Research Activity |
RET/PTC活性の制御に関しては、ヌードマウス移植実験においてペプチドの効果の可能性が示されたので、さらに例数を増やし詳細な検討を行っている。その上で、ターゲットとしている甲状腺がんの細胞でも、ペプチドの効果を確認する予定である。 RET/PTC活性化の新しい分子機序の解明に関しては、投与したペプチドが本当にRETに結合しているのかを確認できるいくつかの方法を立ち上げているところである。結合が確認されれば、その結合様式が、特定のシステインによるS-S結合なのかをさらに検討したい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
実験が効率よく進んだ結果、消耗品の支出が予定より少額となった。 このため予定していた物品の購入は、翌年度分の研究計画の予算と合わせて行うこととした。 動物実験が進んでいるので、さらに多くのマウスが必要になる。甲状腺がんの細胞にペプチドを導入する方法の検討を行うため、新しい試薬等を必要とする。研究代表者・分担者・協力者に加え、これらの広範囲の研究を迅速に進めるためには研究補助員の労力が必要となる。 研究推進の順序が若干当初計画とは異なっているが、全体として研究費の使用計画には大きな変更はない。
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