2014 Fiscal Year Annual Research Report
肺癌のプログレッション抑制を目指したTM4SFとWntによる網羅的シグナル解析
Project/Area Number |
24591926
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Research Institution | The Tazuke Kofukai |
Principal Investigator |
黄 政龍 公益財団法人田附興風会, 医学研究所 第1研究部, 研究主幹 (10271511)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
庄司 剛 公益財団法人田附興風会, 医学研究所 第1研究部, 主任研究員 (80402840)
福井 基成 公益財団法人田附興風会, 医学研究所 第12研究部, 部長 (50342697)
竹村 昌也 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 助教 (30378707)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 癌 / プログレッション / TM4SF / Wnt / 遺伝子治療 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々はアデノウィルスベクターを用いて,TM4SF減弱癌細胞株へのTM4SF誘導(CD9誘導ベクターとCD82誘導ベクター)とWnt高発現癌細胞株へのshRNA発現によるWnt抑制(Wnt1抑制ベクター,Wnt2B抑制ベクター,Wnt5A抑制ベクター)について,in vitroの遺伝子治療実験を行い,機能的解析を行った.その結果,CD9減弱癌細胞株であるA549とHT1080では,CD9誘導ベクターによりTranswell 法で細胞運動能の抑制がみられた.同様に,CD82減弱癌細胞株であるA549とMAC10に対するCD82誘導ベクターでも細胞運動能の抑制がみられた.Wntシグナルでは,Wnt2B高発現癌細胞株であるA549とHela, PANC1に対して,Wnt2B抑制ベクターがMTTアッセイで強力な細胞増殖抑制を認め,更にフローサイトメーターとTUNEL法でもアポトーシスの誘導が見られた.一方,Wnt1抑制ベクターとWnt5A抑制ベクターによる細胞増殖抑制とアポトーシス誘導の効果は少なかった. 次に,CD9誘導+Wnt2B抑制とCD82+Wnt2B抑制による機能的解析を行った.CD9誘導自体がWnt2B発現を抑制することより,CD9誘導+Wnt2B抑制の遺伝子治療の方が,Wnt標的遺伝子であるc-Mycとsurvivinの発現抑制が強くみられ,腫瘍増殖抑制効果がより強く認められたた.そのため,CD9誘導+Wnt2B抑制がプログレッションの抑制に最も有効な組み合わせと考えた.しかし,新規ターゲットの検索行うためには,複合遺伝子治療で,CD9誘導とWnt2B抑制の両方ともに行われている細胞の集団の選別が必要である.アデノウィルスベクターでは単一ユニットしか搭載できず,リポソームベクターの導入効率が低いこともあり,両方ともに行われている細胞集団の選別には未だ至っていない.
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Research Products
(5 results)