2012 Fiscal Year Research-status Report
がん幹細胞をも標的とするREIC遺伝子治療の消化器がんへの応用
Project/Area Number |
24591943
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Okayama University of Science |
Principal Investigator |
片岡 健 岡山理科大学, 理学部, 准教授 (10293317)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阪口 政清 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 准教授 (70379840)
村田 等 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (90579096)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | REIC/Dkk-3 / がん幹細胞 / 組織幹細胞 |
Research Abstract |
本年度の研究実績は以下の通りである。 1. 幹細胞ニッチにおけるREIC/Dkk-3の発現:遺伝子治療のターゲット遺伝子であるREIC/Dkk-3と幹細胞の関係を調査するため、まず上皮組織におけるREIC/Dkk-3の発現を詳細に調べた。その結果、皮膚においては幹細胞が存在するバルジ領域周辺、および腸管においても幹細胞が存在するクリプト周囲の細胞に強い発現を認めた。すなわちREIC/Dkk-3の発現は、幹細胞のニッチ領域と重なっていることが証明された。具体的な発現細胞の同定については、各種マーカーとの共染色を用いて細胞種の特定を進めているところである。 2. REIC/Dkk-3の制御因子の解明:これまでREIC/Dkk-3の上位レベルでの制御因子はほとんどわかっていなかった。そこでREIC/Dkk-3を発現している正常細胞である皮膚表皮細胞(NHK)を用いて、これまでに表皮細胞の増殖・分化に関与しているとの報告があった因子を対象に、スクリーニングを行った。その結果、TNF-αがREIC/Dkk-3の発現を顕著に低下させることが明らかになった。現在は表皮細胞以外の上皮細胞で同様の効果を認めるかどうか、確認を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度当初に研究代表者の異動があり、研究基盤設備等を整備する必要があったため、年度前半は十分に研究を進めることができなかった。研究環境を整えることができた年度後半からは、研究を進行させることができた。特にこれまで全くわかっていなかったREIC/Dkk-3の制御因子として、皮膚表皮細胞や腸管上皮細胞においてTNF-αを同定することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、本研究計画で確認されたTNF-αのREIC/Dkk-3発現に対する影響が、実際の腫瘍組織においても存在するかどうか確認する。またがん幹細胞に対するREIC/Dkk-3遺伝子治療の効果についても、検討を進める。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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