2013 Fiscal Year Research-status Report
食道癌幹細胞を標的とした新しい集学的治療体系の確立
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24591954
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
奥村 浩 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (10398282)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 健 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 医員 (00418849)
内門 泰斗 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 助教 (30464465)
喜多 芳昭 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, その他 (30570692)
夏越 祥次 鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (70237577)
石神 純也 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (90325803)
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Keywords | 食道癌治療 / 癌幹細胞 / 集学的治療 |
Research Abstract |
昨年度に、食道癌細胞を用いたスフェア形成能を調べるSpheroid colony assayに成功し、スフェア形成細胞およびスフェア非形成細胞間におけるDNAマイクロアレイにより食道癌幹細胞マーカー候補因子を同定することができた.各々の因子について、食道癌細胞株による増殖能、浸潤能評価を含めた機能解析、を行い、結果が良好である3つの因子についてさらにノックアウト細胞の樹立による親株との比較実験、DNAストレス下の活性酸素産生能および抗癌剤を用いた薬剤感受性実験、マウス背部への腫瘍細胞移植による腫瘍形成能の評価、手術標本での各因子発現と臨床病理学的因子との関連性評価を行った.全体としての計画はほぼ予定通りに進行している. スフェア形成細胞においてはFhitタンパクと共役しているFdxr蛋白発現、DNA障害後のROS産生,アポトーシス誘導状態の評価,抗癌剤を用いた薬剤耐性実験を行い,E-cadherinやVimentinの発現を含む間葉系マーカー、EMTマーカーおよび幹細胞マーカー発現の評価を行った.新規共役蛋白であるALDH2の解析は現在進行中であるが、一定の結果は得られていない.食道癌組織におけるFhit, Fdxr発現と食道癌症例における治療抵抗性の関連性についての評価も終了しているが、治療抵抗性症例に対する克服法の開発に関連する実験は進行中であり結果が確認されていない状況である. 現在は食道癌患者の組織標本における幹細胞マーカーの発現を基にした、治療前の効果予測の前向き試験を準備している.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
H24年度の計画である、癌幹細胞マーカーの解明におけるEMTマーカーおよび間葉系マーカーの発現確認、Spheroid colony assay、Microarray、細胞および組織における食道癌幹細胞マーカー発現、化学放射線療法感受性因子の動物実験による検証の各項目については施行済みである.H25年度の計画である癌幹細胞シグナル経路と治療抵抗性のメカニズム解明およびその克服法の開発のおけるFHIT蛋白の共役蛋白として同定された他の蛋白についての機能解析についてはそのFdxrについての解析は終了しているが、新規共役蛋白であるALDH2の解析は現在進行中である.治療抵抗性克服法の開発に関する実験は進行中である.ただし、H26年度計画の、組織検体を用いたマーカー発現による奏功例,非奏功例の予測確認についてはすでに評価が進行しており、感受性因子の有無による治療感受性症例の予測前向き試験に対する準備も着実に行われている状況である.以上から全体としては、計画通りの進行状況と考えている.
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Strategy for Future Research Activity |
H24年度の計画である、癌幹細胞マーカーの解明、H25年度の計画である癌幹細胞シグナル経路と治療抵抗性のメカニズム解明に関する一連の評価は終了することができたので、以上の結果をふまえたH26年度計画の、幹細胞マーカーよる治療感受性症例の予測および治療抵抗性症例に対する治療法の開発を行う方針に変更の必要はない状況である.組織検体を用いたマーカー発現による奏功例,非奏功例の予測確認は現在までに化学放射線療法後切除された症例の術前生検組織および切除標本の残存がん細胞における幹細胞マーカー因子の蛋白発現を、治療前生検組織を用いた免疫染色法により確認し、術前化学放射線療法の効果と対比する. 感受性因子の有無による治療感受性症例の予測前向き試験は、そのマーカー発現の有無による治療感受性症例の予測前向き試験を行い、治療感受性症例と判断された症例中に奏功症例の割合が増加することを目標にする.
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Research Products
(10 results)
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[Journal Article] Prognostic factors in esophageal squamous cell carcinoma patients treated with neoadjuvant chemoradiation therapy2013
Author(s)
Okumura H, Uchikado Y, Matsumoto M, Owaki T, Kita Y, Omoto I, Sasaki K, Sakurai T, Setoyama T, Nabeki B, Matsushita D, Ishigami S, Hiraki Y, Nakajo M, Natsugoe S
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Journal Title
Int J Clin Oncol
Volume: 18
Pages: 329-334
DOI
Peer Reviewed
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