2014 Fiscal Year Annual Research Report
HSP90阻害剤を用いた食道癌に対する新規分子標的治療法の開発
Project/Area Number |
24591964
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Research Institution | Kawasaki Medical School |
Principal Investigator |
山辻 知樹 川崎医科大学, 医学部, 准教授 (40379730)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
猶本 良夫 川崎医科大学, 医学部, 教授 (00237190)
深澤 拓也 川崎医科大学, 医学部, 講師 (20379845)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 食道癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.HSP90阻害剤AUY-922 による食道癌細胞増殖抑制効果の検討:AUY922をヒト食道癌培養細胞TE-1,TE-4,TE-8およびTE-10に加えると、全細胞株において細胞増殖抑制効果がみられたが、細胞株間に感受性の差があることが判明した。当初トリパンブルー染色により細胞増殖抑制効果を算出していたが、2年目以降はWST-1法を導入して増殖抑制効果の測定を開始した。最終年度にはこれまでのトリパンブルー染色法およびWST-1法を総括し、各細胞株のIC50を算出し、考察を加えた。その結果、TE-4のIC50は25nM前後と高感受性株であり、TE-1, TE-8 およびTE-10は様々な培養条件によらず低感受性株であった。 2. AUY-922 による食道癌細胞増殖抑制機序:AUY-922による増殖抑制の機序を明らかにするため、ウエスタン・ブロッテイング法により癌増殖関連分子の発現を検索した。AUY-922によりTE-1およびTE-8でリン酸化Aktの抑制が、TE-4においてPTENの発現低下が示され、感受性の差がPTENによって制御されている可能性が示された。 3.食道癌転移動物モデルにおける抗腫瘍効果の検討:TE-1,TE-4,TE-8およびTE-10をヌードマウスの背部皮下に注射し、食道癌転移モデルの作成を試みた。腫瘍形成および増殖がみられたものを選択し、AUY922の抗腫瘍効果を解析した。 4.本研究の意義:これまで消化器癌培養細胞(平成21年度基盤研究C)、KRas変異型肺腺癌培養細胞(平成23年度基盤研究C)を用いてHSP90阻害剤による増殖抑制効果とその機序を解析したが、食道癌においてはその意義は明らかでない。本研究はHSP90阻害剤AUY-922の食道癌培養細胞に対する増殖抑制効果と増殖関連分子発現との関連とその意義を明らかにした。
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