2012 Fiscal Year Research-status Report
細胞内シグナル伝達とNon-coding RNAによる肝再生制御機構の解明
Project/Area Number |
24592000
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Research Institute, Osaka Medical Center for Cancer and Cardiovascular Disaeses |
Principal Investigator |
丸橋 繁 地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪府立成人病センター(研究所), その他部局等, その他 (20362725)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
和田 浩志 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (00572554)
永野 浩昭 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (10294050)
川本 弘一 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (30432470)
小林 省吾 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (30452436)
江口 英利 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (90542118)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 肝再生 / Non-coding RNA / IL6 / HGF |
Research Abstract |
コンディショナルダブルノックアウトマウスの作成を行う準備を行った。Cre/loxPシステムを用いて、肝でのみノックアウトされるコンディショナルノックアウトマウス(L-KO)を作成する。コンディショナルノックアウトマウスは、c-metのノックアウトマウス(c-metKO)とgp130のノックアウトマウス(gp130KO)がそれぞれ報告されている。(Proc Natl Acad Sci 2004;101(13):4477-82, J Exp Med 1998;188:1955-1965)これに従い、マウスC57BL/6系のES細胞においてc-met遺伝子およびgp130遺伝子(両方ともエクソン16に存在する)双方へloxP遺伝子を導入し、交配しc-metflox/flox gp130flox/floxマウスを作成。さらにalbumine-Creトランスジェニックマウスを交配することにより、c-met/gp130コンディショナルダブルノックアウトマウス(DKO)を作成する予定であったが、ES細胞の入手、維持、loxP遺伝子の導入が困難であったため、計画の一部を見直すこととした。 70%肝切除肝再生モデルにおける、IL6系およびHGF系の伝達経路を評価するため、コンディショナルノックアウトによる実験を考えていたが、遺伝子レベルでのブロックではなく、HGFにおいてはc-metを選択的に阻害する分子標的薬であるCrizotinib、IL-6系に関してはIL-6受容体抗体であるMR16-1(Immunology Letters 84(2002)231-240)を使用することとした。現在実験に向けて準備中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初予定していた研究計画のうち、遺伝子操作によるコンディショナルノックアウトの作成が困難であり、研究計画を一部変更し準備しているため、研究が遅れている。しかし、IL6系、HGF系両方の伝達経路をブロックする薬剤(HGFにおいてはc-metを選択的に阻害する分子標的薬であるCrizotinib、IL-6系に関してはIL-6受容体抗体であるMR16-1)を応用することにしたため、円滑な研究に向けて準備を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
1マウス70%肝切除モデルの確立 (1)70%肝切除モデルは容易に作成可能である。肝切除後のマウスは6、12、24、48、72、96時間後に犠死させ、肝、脳を摘出する。(2)70%肝切除+porthepatic(PHS)モデルの確立。門脈、下大静脈吻合を行い、70%肝切除を行う。肝、脳は70%肝切除コントロールと同様に処理する。肝重量、肝組織の病理学的評価、BrdUやPCNAを用いた増殖マーカー、TUNELやcaspase8測定によるアポトーシスアッセイを行い70%肝切除PHSモデルの妥当性を確認する 2 肝切除モデルを用いた肝再生機序の解明 (1) 2で作成した肝切除モデル(70%切除コントロールおよび70%切除PHSモデル)を作成し、CrizotinibあるいはMR16-1を投与す、さらにそれぞれのマウスに対しIL-6あるいはrhHGFを投与し、肝再生促進環境を整える。また増殖マーカーであるBrdUをマウス腹腔内に犠死1時間前に投与する。肝切除後6、12、24、48、72、96時間後に犠死させ、肝を摘出する。(2)肝再生の評価。肝重量、乾燥肝重量、組織学的には細胞サイズ、PCNA、BrdUによる増殖マーカー、TUNEL法、caspase8によるアポトーシスアッセイを行う。(3)抽出した肝細胞からRNAを抽出し、Non-coding RNA量の網羅的解析を行う。解析にはAgilent SurePrint G3 遺伝子発現マイクロアレイ(8x60K)を用いる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
マウス維持費、実験器具、薬剤、TUNEL法試薬、RNA抽出、精製 Agilent SurePrint G3 遺伝子発現マイクロアレイ(8x60K)
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