2014 Fiscal Year Annual Research Report
細胞内シグナル伝達とNon-coding RNAによる肝再生制御機構の解明
Project/Area Number |
24592000
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
丸橋 繁 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (20362725)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
和田 浩志 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (00572554)
永野 浩昭 山口大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (10294050)
川本 弘一 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (30432470)
小林 省吾 地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪府立成人病センター(研究所), その他部局等, その他 (30452436)
江口 英利 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (90542118)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 肝再生 / 抗IL-6抗体 / c-Met |
Outline of Annual Research Achievements |
肝再生は現在複数のシグナル伝達経路が関与することが知られており、中でもInterleukin-6およびHepatocyte Growth Factor/c-MET系を中心に制御されているが、その相互作用や詳しいシグナル経路についてはあまり研究が進んでいない。シグナル経路伝達を遮断することで、どのような影響が表れるかを解明し、肝再生制御機構を明らかにしようと考えた。当初IL-6受容体であるgp130、HGFの受容体であるc-METのコンディショナルノックアウトマウスを作成し研究を行う予定だったが、IL-6シグナルの遮断には、マウスIL-6受容体に対する特異的抗体であるMR16-1を投与する方法を採用した。マウスを用いて、70%肝切除を行い、MR16-1を腹腔内に投与し、術後12、24、48、72時間後に、肝および血液サンプルを採取した。同様にMR16-1非投与群についても70%肝切除後の残肝、血液を採取した。残肝重量は、肝切除後24時間において、MR16-1非投与群で0.532±0.088g、投与群で0.449±0.037gとMR16-1投与群で有意に肝再生が抑制されていた。また、肝切除後48時間でもMR16-1投与群で肝再生が抑制される傾向が明らかであった。またTUNEL染色では両群で差はなかったものの、PCNA/Ki indexでは、MR16-1投与群で抑制されている傾向がみられた。血中および肝組織中のIL-6、TNFα、HGF濃度は両群において差は認められなかった。本研究では、IL-6伝達系およびHGFと肝再生に関する成果が得られた。c-MetコンディショナルノックアウトマウスによるHGFシグナルの抑制による肝再生の評価とこれらの相互作用を行う予定であったが、研究期間内にdefinitiveな結論に到達し得なかった。今後は本研究で得られた結果を発展させ、さらに複数のシグナル伝達系の間の相互作用を明らかにし、肝再生機構の細胞内メカニズムを解明出来ることが期待される。
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