2014 Fiscal Year Annual Research Report
組織幹細胞マーカーによる膵癌幹細胞の同定と周囲微少環境との相互作用の解明
Project/Area Number |
24592020
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
吉富 秀幸 千葉大学, 医学部附属病院, 講師 (60375631)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉留 博之 千葉大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (10312935) [Withdrawn]
宮崎 勝 千葉大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (70166156)
中島 正之 千葉大学, 医学部附属病院, 助教 (80466705) [Withdrawn]
大塚 将之 千葉大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (90334185)
鈴木 大亮 千葉大学, 医学部附属病院, 助教 (90422229)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 膵癌 / 癌幹細胞 / 癌間質 / Tenascin C / SPARC / Sox9 / fibronectin |
Outline of Annual Research Achievements |
膵癌はdesmoplastic changeといわれる豊富な間質組織を持つ特徴があり、これが癌細胞と相互作用することで癌悪性化を引き起こしているとされる。本研究ではその分子機構の詳細を検討した。 膵癌組織の間質量の多寡の予後に対する影響を膵癌切除標本を用いて検討した。単位面積あたりの間質面積の比率を求め、その中央値で2群に分けたところ、間質が少ない症例では予後が悪く、単位面積あたりの微小血管数も多かった。また、術後再発形式を見ると、血行性転移の割合が間質量が多い症例に比し少ない群で有意に高かった。このことから、間質の量が多寡でなく、構成成分が重要であることが考えられた。 そこで、細胞外マトリックスに着目した。Tenasxin C(TNC)は組織幹細胞の維持に関わるマトリックスとされ、乳癌ではその発現と予後に関連があることが報告されている。膵癌外科切除標本にてTNCの発現を検討したところ、TNCは癌細胞を取り巻くように発現しており、その発現が強い症例では予後が不良であり、加えて術後遠隔転移の可能性が高かった。TNCの癌細胞に対する役割を検討するため、TNCでコートしたプレートで膵癌細胞株を培養すると、何もコートしていないプレートでの場合に比較し、細胞遊走能、浸潤能が亢進することを認め、TNCが癌細胞の運動を亢進させることで癌の悪性化を引き起こしていると考えられた。 また、secreted protein acid and rich in cysteine (SPARC)の発現についても検討したところ、間質に発現を認める症例では予後不良であった。また、TNC同様、膵癌細胞株の浸潤能を亢進した。 この様な結果より、間質のマトリックスが癌細胞の遊走浸潤能をコントロールしていることが示され、その相互作用を阻害する事で、転移を阻止する新しい治療法の開発が見込まれることが示唆された。
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