2014 Fiscal Year Research-status Report
in vitro膵発癌モデルの確立と発癌メカニズムの解明
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24592042
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Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
宮本 好晴 大阪医科大学, 医学部, 非常勤講師 (20368096)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内山 和久 大阪医科大学, 医学部, 教授 (80232867)
林 道廣 大阪医科大学, 医学部, 教授 (90314179)
田中 覚 大阪医科大学, 医学部, 助教 (50595741)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 膵癌 / 発癌モデル / 膵腺房細胞 / in vitro |
Outline of Annual Research Achievements |
マウスの膵腺房細胞を分離しコラーゲンゲルで3次元培養しTGF-αを投与すると腺房細胞から腺管細胞に変化(acinar-to-ductal transdifferentiation)する。本研究代表者らは、この実験系を用いたin vitroのデータをもとにヒト膵癌組織におけるNotch pathway関連遺伝子の発現増強を確認・解析し、Notch pathwayが膵の発癌メカニズムに深く関与している可能性や、Central Nerve SystemのマーカーであるNestinがacinarからmetaplastic ductに移行する前駆細胞に発現していることを見出した。この実験系のユニークな点は、MT-TGFαトランスジェニックマウスで4週間目に見られた変化が1~2日目に、24週目に見られた変化が5日目に認められ、その全ての過程をリアルタイムにBench上で観察できるという点にある。本研究ではこの独自のin vitro systemを用いて、膵のtumorigenesisにかかわる遺伝子の解析および分子生物学的情報伝達機構を明らかにする。この実験系では2週間以上継代培養が可能で、MT-TGFαトランスジェニックマウスの時間経過と対比すると、その過程でneoplasmの形質を獲得している可能性がある。まず、metaplastic duct(Day5以降)のneoplasm形質の有無を確認する。次に、siRNAを用いてp16, p53, Smad4を標的としたknockdownモデルを作成しneoplasm形質の有無を確認する。一部並行して、Day0とDay1, 2, 3, 5のタンパクをプロテオミクス手法によって比較検討する。また、tumorigenesisのmain streamを同定すると同時に、kinase活性や代謝産物の増減を検討し、情報伝達機構を詳細に検討する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
臨床業務の関係で、実験に従事できる時間の制約があり、実験がなかなか軌道に乗らない。膵腺房細胞の3次元培養が安定せず、acinar-to-ductal metaplasiaの変化が安定して認められなかった。ようやく実験に安定性がみられるようになったが、siRNA導入後にタンパクやmRNAを抽出することが困難で実験に行き詰っている。
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Strategy for Future Research Activity |
できる限り多くの時間を実験に使うとともに、大学院生や他の研究者に協力してもらいながら同時進行で実験を行っていく。 実験としては安定性を高めるとともに、細胞密度や規模を検討して十分量のmRNAやタンパクが抽出できるように検討していく。
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Causes of Carryover |
実験が予定より大幅に遅延しており、施行予定であった実験ができていない。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
3)EGFR経路、RAS-MAPK経路、PI3-AKT-mTOR経路、Hedgehog経路に焦点をあて、各経路の阻害剤(EGFレセプター阻害剤:AG1478、PI3リン酸経路阻害剤:LY294002、Rasレセプター阻害剤:FTI-277、MAP kinase阻害剤:PD98059、Shh伝達経路阻害剤:IPI-926)を用いて細胞増殖抑制実験を行い、tumorigenesisのmain streamを同定すると同時に、kinase活性や代謝産物の増減を検討し、情報伝達機構を詳細に検討する。また、網羅的プロテオミクスを行い、tumorigenesisの責任タンパクを同定する。これらの研究を実施するたもに支出する予定。
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