2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24592058
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
平野 弘嗣 三重大学, 医学(系)研究科(研究院), リサーチアソシエイト (40378394)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新保 秀人 三重大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (70179076)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 脊髄虚血 / エリスロポエチン / 血管再生 / 神経再生 |
Outline of Annual Research Achievements |
【背景】脊髄虚血による対麻痺は胸部大動脈瘤術後の深刻な合併症の一つである。一方、造血ホルモンであるエリスロポエチン(EPO)が組織の虚血障害に対して保護的に働くことが知られており、障害後の組織再生をも促すことが示唆されている。我々はEPOが脊髄虚血障害を軽減することを報告したが、本研究においてはEPOが障害を受けた脊髄組織の再生を促進するかどうかを検証する。 【方法】マウス脊髄虚血モデル(C57BL/6マウスに対して全麻・開胸下に下行大動脈を7分間遮断し対麻痺を発症)に対して虚血前30分及び術後7日まで EPO(5000 IU、投与群)及び生食(対照群)を連日投与し、術後7及び28日に生存率、後肢の運動機能、脊髄の組織所見(運動神経損傷: 脊髄前角に含まれる正常形態を保った運動神経細胞数、運動神経再生: NeuN+CD34陽性細胞数、微小血管再生: BDNF及びVEGF発現、CD31+CD34陽性細胞数)を評価した。 【結果】術後28日における生存率に群間有意差を認めなかった。後肢の運動機能は術後7日に両群とも同等に最低となり(有意差なし)、術後28日で投与群は改善、対照群は悪化し有意差を認めた。術後7日及び28日における正常運動神経細胞数はいずれも投与群で有意に多かった。また、BDNF及びVEGF発現、CD31+CD34陽性細胞数は術後7日において投与群が有意に高値であったが、術後28日では群間有意差を認めなかった。また、NeuN+CD34陽性細胞数は術後7日では群間有意差を認めなかったが、術後28日では投与群が有意に高値であった。 【結語】EPO投与にて脊髄虚血障害が軽減し、術後早期での微小血管新生を誘導、さらには遠隔期での運動神経再生を促進させることが示唆された。 安定したマウス脊髄虚血モデルの作成に予想以上の期間を要したため、期間内での成果報告までには至らなかった。今後、新たな研究助成金を取得した上で、さらなる検討を加え、成果報告する予定である。
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