2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24592064
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
岡田 健次 神戸大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (90284356)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大北 裕 神戸大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (40322193)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 大動脈瘤 / 薬物治療 |
Research Abstract |
ラット腹部大動脈瘤モデルを使用しその発生機序に酸化ストレスが大きく関与すること,さらに薬物治療による動脈瘤形成抑制が可能であるか実験的に検討した(研究1).実験モデルは以前我々が報告したエラスターゼ血管内投与に加え血管外に塩化カルシウム浸漬したラット腹部大動脈瘤モデルを使用した.酸化ストレス関与を明らかにするためにfree radical scavengerの一種であるエダラボン(3-methyl-1-phenyl-2-pyrazolin-5-one)を使用した.瘤形成術後7日目にDihydroethidium染色を用いた活性酸素の発現量および免疫染色により酸化ストレスマーカーである8-hydroxydeoxyguanosine (8-OHdG)の発現を半定量化し比較検討,またquantitative real-time PCRにより大動脈瘤のマーカーとされるmatrix metalloproteinase(MMP -2,9)の発現比較を行った.術後28日目に大動脈径拡大率および病理組織学的検討を行ったところ,エダラボン使用により用量依存性に酸化ストレス,MMP -2,9発現は抑制され,結果的に瘤径拡大も抑制された.動脈瘤抑制に関する動物実験は多数存在するがそれらは動脈瘤作成時に薬物投与開始しており実際の臨床にそぐわない.そのため瘤形成術後7日目よりエダラボンを投与しその瘤径拡大抑制効果を検討したところもさらなる瘤径の拡大を予防できた.以上の結果より瘤形成に酸化ストレスが大いに関与すること,エダラボンによる瘤形成抑制効果のみならず瘤形成後進展抑制効果といったより臨床的な知見をえることができJ Vasc Surg. 2012 Jun;55(6):1749-58に論文発表した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究1により瘤形成に酸化ストレスが大いに関与すること,エダラボンによる瘤形成抑制効果のみならず瘤形成後進展抑制効果といったより臨床的な知見をえることができJ Vasc Surg. 2012 Jun;55(6):1749-58に論文発表した.現在までの達成度は順調であると思われる.
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Strategy for Future Research Activity |
一般的に動脈瘤治療は血管径で決定されることが多く拡大していてもその治療血管径に達していない場合には治療は施行されない.そのような将来治療を要する可能性のある血管の瘤拡大,破裂予防を目的とし研究2を計画,遂行している.研究2では研究1の知見である抗酸化作用による瘤形成抑制効果に着眼し,抗酸化作用を有するアスコルビン酸を含浸した生体吸収性ゼラチンシートを拡大した動脈に巻きつけることがさらなる瘤抑制効果を有するのではないかと考え現在研究を行っている.アスコルビン酸含浸生体吸収性ゼラチンシートは局所に徐放されるアスコルビン酸の作用により酸化ストレスを抑制し瘤径拡大を有意に抑制させることが確認できたが現在進行中である.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度には研究2のための動物実験と病理学的,分子生物学的な検討が必要になり消耗品費に多くを費やす予定である.また研究成果については研究2の国内学会発表,研究1,2を統括した国際学会発表を行う予定でそのための旅費を必要とする.
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Research Products
(4 results)
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[Presentation] ATVB 20132013
Author(s)
Keisuke Morimoto, Wulan Bao, Zhenhai Gyo, Yu Jie, Naoto Sasaki, Tomoya Yamashita, Kenichi Hirata, Yutaka Okita, Kenji Okada
Organizer
DPP-4 Inhibitor Alogliptin Attenuates Abdominal Aortic Aneurysm
Formation and Development in Rat Model
Place of Presentation
米国 オーランド
Year and Date
20130501-20130503
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