2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24592070
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
國吉 幸男 琉球大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (50153317)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
喜瀬 勇也 琉球大学, 医学部附属病院, 助教 (00468076)
永野 貴昭 琉球大学, 医学部附属病院, 助教 (50363669)
山城 聡 琉球大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (80315465)
稲福 斉 琉球大学, 医学部附属病院, 講師 (30404578)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | MEP / 脳脊髄障害 |
Outline of Annual Research Achievements |
MEP(Motor evoked potential:運動誘発電位)は、大脳皮質運動野を電気的に刺激し下肢筋肉収縮の筋電図を記録し、その間の神経伝導・伝達経路の障害の有無を検索する方法である。本法を用いて、低体温手術中に発生する脳虚血(脳梗塞)の迅速診断法を確立する目的で実験的研究を行った。 1)MEPを確実に行える方法論を確立した。成犬を全身麻酔下に、心電図、動脈圧、舌酸素飽和度をモニターして行った。頭蓋部の刺激部位を10区画に分け、その区画から2区画を選択してMEP刺激を行った。その結果、いずれの組み合わせにおいてもそのMEP発現率は17.1%に止まった。その発生頻度における傾向として、1)右側同士の組み合わせでの刺激が、左側同士での組み合わせより発生頻度が高い傾向があった。刺激方法を変更し、乳様突起-下顎軟部組織間で刺激を行うと、ほぼ100%の確立でMEPの発生が得られた。 2)1)のMEP刺激方法の確立を受けて、MEP電位の体温による変化を検討すべく体外循環を用いて直腸温を常温から20度の超低体温まで低下させてそれぞれの直腸温でのMEP電位を計測してその変化を検討した。その結果、MEP波形は常温から20度のいずれの体温においても連続的に発生し、体温低下による電位の減衰もなく同等であった。また刺激からMEP波形発生までの時間も体温に拘わらず平均2.8 msec.であった。 以上より、常温~直腸温20度の直腸温において、大脳皮質-脊髄-肢筋肉間の神経伝導、伝達は遅滞なく行われることが示された。またそのMEP電位も減衰することないためMEPを使用して、低体温時の脳虚血実験が大型動物実験が行えることが示された。今後の研究方向としては、上記のMEPを用いた実験系にて、低温時脳虚血を作製し、その迅速診断にむけた研究を推し進める。
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