2013 Fiscal Year Research-status Report
動脈硬化病変進行・大動脈瘤増大のメカニズムと歯周囲疾患の関与
Project/Area Number |
24592074
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
塩野 則次 東邦大学, 医学部, 准教授 (70235498)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
関谷 秀樹 東邦大学, 医学部, 准教授 (70267540)
渡邉 善則 東邦大学, 医学部, 教授 (90210963)
片柳 智之 東邦大学, 医学部, 助教 (00385668)
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Keywords | 動脈硬化 / 歯周病 / サイトカイン |
Research Abstract |
"歯周囲疾患による慢性炎症が動脈硬化病変の進展に関与している”、との仮説を立て、その可能性について検討する。従来正常範囲内と考えられていたCRP値の範囲内であっても比較的高値をしめすものは将来心筋梗塞を発症するリスクが高い。動脈硬化病変の病理像は慢性炎症であり、CRP自体が動脈硬化の進展に関与している可能性も示唆されている。歯周囲疾患による慢性炎症によって局所では IL-1,IL-6,TNF-α,IFN-γが放出される。サイトカインは全身臓器に影響をあたえるが、古典的動脈硬化因子を基礎に持つあるいは血管内皮細胞の障害部位においては動脈硬化病変の進展を促進し、動脈瘤においてはプロテアーゼ群の亢進・抑制のバランスの崩壊に関与しているのではないか、と推測する。 1)パイロット調査 過去の心臓血管外科手術症例のうち口腔内の検索が可能であった症例、感染性心内膜炎の手術症例、31例についてretrospectiveに口腔内病変と血液培養および組織所見との検討を行った。4例で、弁組織から口腔内細菌が検出された。3例で2種類の菌種が検出され、循環血液が短期間で口腔内細菌に暴露されていることがわかった。国内および国際会議で発表した。 2)2012年8月より、心臓血管外科手術予定患者で術前サイトカイン、口腔内細菌、口腔内病変の評価を行っている。現在までに75例で検体採取、口腔内病変の評価を施行し、検討中である。2013年6月までの症例を検討した中間報告では、口腔内病変の程度が重症例でサイトカイン値が高く、大動脈動脈瘤径が大きい傾向があった。この知見はアジア心臓血管外科学会(2014 ASCVTS,イスタンブール)で発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
24年度は倫理委員会による承認が8月となったため、検体採取が可能となる時期が遅れた。研究協力者との調整に時間を要し、症例数が少なく検討が困難であった。25年度3月の時点で70症例に達し、現在口腔内病変の評価中である。25年6月までの中間検討では大動脈瘤の瘤径とサイトカイン、口腔内病変の重症度との関連が示唆されたが症例数を増やしさらに検討が必要と思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度3月の時点で70症例に達し、現在口腔内病変の評価中である。25年6月までの中間検討では大動脈瘤の瘤径とサイトカイン、口腔内病変の重症度との関連が示唆された。今後症例数を増やし検討をする。検体検査費用、口腔内病変解析費用として使用する予定である。冠動脈疾患、弁膜症、末梢動脈疾患についてもさらに症例数を増やし検討する予定である。冠動脈疾患等での新たなる知見が得られれば、学会発表をするための旅費として研究費を使用する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
24年度は倫理委員会による承認が8月となったため、検体採取が可能となる時期が遅れた。研究協力者との調整に時間を要し、症例数が少なく検討が困難であった。25年度3月の時点で70症例、現在口腔内病変の評価中である。昨年度の手術症例中、同意を得られなかった症例があったこと、緊急症例で口腔内の評価ができない症例が多かったことが、症例数が目標に達しなかった主な理由である。25年6月までの中間検討では大動脈瘤の瘤径とサイトカイン、口腔内病変の重症度との関連が示唆されたが症例数を増やしさらに検討が必要と思われる。 25年度3月の時点で70症例に達し、現在口腔内病変の評価中である。25年6月までの中間検討では大動脈瘤の瘤径とサイトカイン、口腔内病変の重症度との関連が示唆されたが症例数を増やしさらに検討が必要と思われる。症例数の増加により、検体検査費用として研究費を使用する。研究分担者を1名追加したので、発表の機会を増やし、論文発表の費用、学会発表の旅費として使用する予定である。
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[Journal Article] Frequency of detection of oral pathogenic bacteria in patients undergoing surgery for infectious endocarditis:Is blood exposed to oral bacteria on daily basis?2013
Author(s)
Noritsugu Shiono, Takeshirou Fujii, Muneyasu Kawasaki, Shinnosuke Okuma, Yuuki Sasaki, Tomoyuki Katayanagi, Hiroshi Masuhara, Keiichi Tokuhiro, Tsukasa Ozawa, Akihisa Horie, Hideki Sekiya and Yoshinori Watanabe
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Journal Title
J Clin Exp Cardiolog (an open access journal)
Volume: 4
Pages: 254
DOI
Peer Reviewed
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