2014 Fiscal Year Annual Research Report
動脈硬化病変進行・大動脈瘤増大のメカニズムと歯周囲疾患の関与
Project/Area Number |
24592074
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
塩野 則次 東邦大学, 医学部, 准教授 (70235498)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
関谷 秀樹 東邦大学, 医学部, 准教授 (70267540)
渡邉 善則 東邦大学, 医学部, 教授 (90210963)
片柳 智之 東邦大学, 医学部, 助教 (00385668)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 動脈硬化 / 歯周病 / 感染性心内膜炎 / サイトカイン |
Outline of Annual Research Achievements |
「人は血管とともに老いる」というWilliam Oslerの名言が物語るように、加齢に伴う動脈の病理学的変化は体全体の影響と密接に関係している。動脈硬化は複数の因子が作用して生じる。喫煙、脂質代謝異常、高血圧、糖尿病が4大因子といわれているが、それ以外にも肥満、ストレス、食事、運動などの影響がある。最近の知見では、動脈硬化病変の進展に慢性炎症が関与しているとの考えが注目されている。たとえば、CRP値は正常範囲内であっても比較的高値を示すものは将来心筋梗塞を発症するリスクが高い。動脈硬化の病理像は慢性炎症像であり、CRP自体が動脈硬化の進展に関与している可能性も示唆されている。古典的な動脈硬化の4大危険因子に加え、最近では慢性感染症が関与している可能性も指摘され、クラミジアニューモニエ、ヘリコバクターピロリ、サイトメガロウィルス、歯周病菌(ポルフィロモナスジンジバリス、カンジダアルビカンス)など関与の報告がある。歯周囲疾患による慢性炎症が動脈硬化病変の進展に関与している、と仮説も立てその可能性について検討するため、心大血管手術患者について、口腔内病変の程度、及び炎症性サイトカイン(IL-6,MMP9)の測定、術中動脈硬化所見について検討した。2012年から2014年度まで142例についてIL-6,MMP9の検体採取ができた。口腔内所見は終了時101例評価した。詳細な評価は検討中であるが、中間報告では大動脈瘤最大周径と炎症性サイトカイン及び口腔内病変指数とのあいだに弱いながら相関関係を認めた。この結果は、2014年アジア心臓血管外科学会(イスタンブール)で発表した。また、感染性心内膜炎の細菌種の検討では、血液は口腔内細菌にかなりの頻度で暴露されている可能性が示唆された。口腔内の慢性炎症は、糖尿病の増悪に影響しているとの報告もあり、動脈硬化のみならず今後も検討が必要と考えている。
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Research Products
(1 results)