2012 Fiscal Year Research-status Report
間葉系幹細胞による肺移植後急性および慢性拒絶反応制御
Project/Area Number |
24592080
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
岡田 克典 東北大学, 加齢医学研究所, 准教授 (90323104)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近藤 丘 東北大学, 加齢医学研究所, 教授 (10195901)
佐渡 哲 東北大学, 大学病院, 助教 (20396485)
大河内 眞也 東北大学, 大学病院, 助教 (40375035)
大石 久 東北大学, 大学病院, 助教 (60451580)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 肺移植 / 急性拒絶反応 / 間葉系幹細胞 |
Research Abstract |
Brown Norwayラットをドナー,Lewisラットをレシピエントとする主要組織適合性抗原完全不適合の組み合わせで,同所性左片肺移植を行なった。このモデルにおいては、移植肺の急性拒絶反応が6日~7日で完成する。肺移植直後に間葉系幹細胞(MSC)1.0×1000000 cells / 1ml PBSを左上大静脈への直接穿刺で投与した.移植後6日目にグラフトを採取し、病理学的検索を行った。移植肺の急性拒絶反応のグレードは、MSC投与群、PBSのみ投与したコントロール群ともにstage IVのものが多く、大きな差異は見られなかった。しかし、MSC投与群では、移植肺における浮腫および出血がほとんどみられない個体も一部に見られた。この所見は、MSC投与による抗炎症作用の効果によるものと推測された。全体として当初期待したほどの拒絶反応抑制効果が得られなかった原因として、投与細胞数の問題、投与経路の問題などが考えられる。肺移植後急性期には、移植肺の肺血管抵抗の上昇により、血流の多くは対側肺にシフトすることが報告されている。このため、静脈内投与したMSCのほとんどは対側肺に流れ込み、移植肺にはほんの一部しか到達しなかった可能性がある。今後の研究の進め方としては、まず投与細胞数を増やして同様の実験を行い、より顕著な拒絶反応抑制効果が得られるか検討したい。また、投与経路として、静脈内投与ではなく、移植直後に移植肺の肺動脈から直接注入することなども検討したい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
肺移植モデルの作成、間葉系幹細胞の入手と培養手技が早期に確立し、目的とする研究が開始できている。拒絶反応の抑制効果は当初期待したものほど大きくない結果であったが、投与細胞数、投与経路を工夫していくことによって、より大きな抑制効果を得られる可能性がある。
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Strategy for Future Research Activity |
移植直後には肺血流は非移植側優位となるため、経静脈投与した間葉系幹細胞のうち一部しか移植肺に到達しない可能性がある。このため、移植直後に移植肺の肺動脈から間葉系幹細胞を直接注入する方法につき検討したい。また投与細胞数を増やした検討も行う予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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Research Products
(1 results)