2014 Fiscal Year Annual Research Report
間葉系幹細胞による肺移植後急性および慢性拒絶反応制御
Project/Area Number |
24592080
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
岡田 克典 東北大学, 加齢医学研究所, 教授 (90323104)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近藤 丘 東北大学, 加齢医学研究所, 教授 (10195901)
佐渡 哲 獨協医科大学, 医学部, 准教授 (20396485)
大河内 眞也 東北大学, 学内共同利用施設等, 講師 (40375035)
大石 久 東北大学, 大学病院, 助教 (60451580) [Withdrawn]
渡邉 龍秋 東北大学, 大学病院, 助手 (70636034)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 肺移植 / 急性拒絶反応 / 間葉系幹細胞 / ラット |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題の目的は、様々な液性因子分泌を介して抗炎症作用を発揮する間葉系幹細胞(mesenchymal stem cells: MSC)のレシピエントへの投与が、肺移植後急性拒絶反応を抑制するかどうかにつきラット肺移植モデルを用いて検討することである。実験モデルとしてBrown Norwayラットをドナー、Lewisラットをレシピエントとする主要組織適合性抗原不適合同所性左片肺移植を用いた。実験群は、ヒト由来間葉系幹細胞(hMSC)を再灌流直後のみに投与するhMSC1群、再灌流直後と術後3日目に投与するhMSC2群,phosphate buffered aaline(PBS)を再灌流直後に投与するコントロール群の3群とした。再灌流直後にはhMSCを移植側肺動脈から投与し、術後3日目には静脈内投与した。移植後6日目に移植肺を摘出し病理学的検討を行ったところ、hMSC2群において拒絶反応のステージとリンパ球浸潤のスコアがコントロール群と比較し有意に低値であった。また、hMSC1、hMSC2両群において、浮腫と肺胞内出血のスコアがコントロール群と比較し有意に低値であった。移植肺から抽出したmRNAを用いてTh1/Th2サイトカインについて定量RT-PCRを行ったところ、hMSC投与両群で、TNF-αの発現がコントロール群と比較し、統計学的な有意差には至らなかったものの、低い傾向であった。間葉系幹細胞の抗炎症・免疫抑制作用の主要なメディエーターであるとされるTNF-α stimulated gene-6 (TSG-6)の発現をRT-PCR法で検索したところ、hMSC投与両群において移植肺に発現が確認された。
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