2013 Fiscal Year Research-status Report
肺虚血再灌流障害の発症機序ー薬剤によるIPC現象の確立ー
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24592087
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
島本 亮 三重大学, 医学部附属病院, 講師 (90324524)
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Keywords | 外科 / 移植・再生医療 / シグナル伝達 |
Research Abstract |
【背景】これまで肺移植におけるドナー肺長期保存を可能にすべく、肺虚血再灌流障害(LIRI)の発症機序におけるToll-like receptor 4(TLR4)の役割を明らかにしてきた。特に、TLR4 を介した細胞内シグナル伝達においてMyD88依存経路がLIRIを、MyD88非依存経路(TRIF経路)がischemic preconditioning現象(IPC)を誘導することを報告した。そこでLPSの非毒化構造異性体であるmonophosphoryl lipid A(MPL)を用いた選択的MyD88非依存経路活性によるLIRIの抑制効果を評価し、pharmacological preconditioning(PPC)の可能性について検討した。 【方法】MPL(500μg/kg)及び生食を前投与したC57BL/6Jマウスに「60分間虚血+180分間再灌流」のLIRIを負荷し(投与群/非投与群)、肺障害(permeability index[PI]、肺胞洗浄液[BALF]中の細胞数、MPO活性)、及びMyD88/TRIF/NF-κB活性を測定した。対照として「5分間虚血+5分間再灌流+5分間虚血+5分間再灌流+5分間虚血+30分間再灌流+60分間虚血+180分間再灌流」のIPC+LIRIモデルを用いた(IPC群)。 【結果】MPL投与群では非投与群と比べLIRIは有意に抑制された(PI: P<.05、MPO活性: P<.01)。同時にMPL投与群では非投与群と比べLIRI負荷直前でTRIF及びNF-κBの有意な活性化を認めた(P<.05)。これらの結果はIPC群とほぼ同等であった。 【結語】MPLを用いた選択的MyD88非依存経路(TRIF経路)の活性よるPPCの可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
交付申請書に明記した「平成25年度の研究実施計画」通りに進行している。特に、MPL投与群では非投与群と比べLIRI負荷直前でTRIF及びNF-κBの有意な活性化を示したことで、MPLを用いた選択的MyD88非依存経路(TRIF経路)の活性よるPPCの可能性が示唆出来た。また、MPL投与後24時間でconventionalなIPCとほぼ同等な選択的MyD88非依存経路の活性化を再現出来たことは、MPLによるlate phaseのPPCの可能性が示唆出来た。
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Strategy for Future Research Activity |
交付申請書に明記した「平成26年度の研究実施計画」どおりに研究を推進することで、研究期間内に「肺移植におけるドナー肺長期保存のためのPPCの確立」が可能であると考える。可能であれば、late phase PPC発現に関与するHSP70等についても検討を追加する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
交付申請書で設備備品費として計上したPCRサーマルサイクラー及び生物顕微鏡(位相差)は、実際には既存の機器を別予算で修理・使用することで研究を維持している。また、動物実験消耗品等も他プロジェクトでの購入品の残りや試供品等を使用することで支出が控えられた。 平成25年度末に、PCRサーマルサイクラーは修理不可の状況となった。次年度研究計画の追加実験においても該当機器が必要のために、次年度早々に新規購入する予定である。
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Research Products
(1 results)