2013 Fiscal Year Research-status Report
脳虚血および虚血耐性現象におけるミトコンドリアバイオジェネシスの意義の解明
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24592119
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
木内 博之 山梨大学, 医学工学総合研究部, 教授 (30241623)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉岡 秀幸 山梨大学, 医学部附属病院, 助教 (20402076)
八木 貴 山梨大学, 医学部附属病院, 助教 (90345702)
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Keywords | 脳虚血耐性 / ミトコンドリアバイオジェネシス |
Research Abstract |
Mitochondriaは、細胞死の中心的な役割を担い、虚血性神経細胞障害においても、長年その役割が研究されてきた。近年、このmitochondriaは細胞の中で融合と分裂を繰り返しながら、形態をダイナミックに変化させている (mitochondria biogenesis)ことが明らかとなっている。この動態変化は、細胞の外因性刺激に対するエネルギー産生状態を意味するのみならず、細胞障害や細胞死にも密接に関与することが示され、様々な病態での役割が注目されるようになっているが、脳虚血病態での役割は明らかではない。本研究の目的は、mitochondria biogenesisの脳虚血および脳虚血耐性現象における役割を検討することである。 Mitochondria biogenesisには、GTP加水分解酵素であるmitofusion 1(MFN1)/MFN2、Dynamin-related protein 1、Optic atrophy 1等が関与し、これらGTP加水分解酵素の調節にはperoxisome proliferator-activated receptor-γ-co-activator-1αが関与することが知られている。本年度は主に、ラット一過性前脳虚血モデルを使用し、脳虚血と脳虚血耐性現象におけるこれら蛋白質の発現変化をwestern blotにより検討した。MFN2やdynamin-related protein 1の発現は、現時点までの解析では、致死的虚血脳と虚血耐性獲得脳で明らかな差を認めていない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
虚血脳の電子顕微鏡による観察実験の進行が遅れており、脳虚血病態へのmitochondria biognesisの関与が十分に証明できていないため。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、虚血脳および虚血耐性獲得脳でのmitochondria biogenesis関連蛋白質の発現解析を進めると共に、電子顕微鏡を用いたmitochondriaの形態学的観察を行う。電子顕微鏡での観察が困難な場合には、mitochondriaマーカーを用いた免疫染色によるmitochondriaの変化を観察する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
電子顕微鏡観察が遅れ、この分の試薬代などが未使用分となったため。 本年度の未使用金を含め、来年度の研究費は動物購入管理費、抗体購入費などに使用する予定である。
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