2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24592184
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
高岸 憲二 群馬大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (70154763)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 腱板断裂 / 代償性筋肥大 / IGF-1 / Akt |
Research Abstract |
肩腱板断裂において,手術治療が不能な症例,希望しない症例では残存した腱板構成筋に機能を代償させることを目的としたリハビリ治療が行われることがあるが,残存した腱板構成筋における機能代償の結果としての筋肥大が生じたとする報告はない.本研究の目的は腱板断裂モデルラットの腱板構成筋の形態学的,生化学的変化を調査することで残存腱板構成筋の筋肥大メカニズムがどのように機能しているかを調査することである. 我々は全身麻酔下に棘上筋腱断裂を施したモデルラットを作成し,経時的に屠殺,腱板構成筋を採取し,棘上筋,棘下筋について時間経過での重量変化および筋肥大関連遺伝子(IGF-1,Akt)の発現をPCR,ウエスタンブロッティングを行い調査した. 棘上筋腱断裂後,棘上筋重量は時間経過と共に減少を続け,本モデルの妥当性が示された.残存した棘下筋については棘上筋腱断裂後早期には一時的に重量の減少を認めるも,その後は上昇傾向を示し,術後28日以降は有意な重量の上昇を認めた. IGF-1およびその受容体の遺伝子発現は時間経過と共に有意に上昇し,筋肥大における再母内シグナルであるAktのリン酸化(活性化)については術後14日までに一時的な低下を認めたが,その後は上昇傾向を示していた. これらの結果から,棘上筋腱断裂後の棘下筋では,棘上筋の機能代償のために筋肥大関連遺伝子の発現が促進しており,臨床における残存筋に対するリハビリが合目的であることが推測された.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在までに安静状態での腱板断裂モデルラットでの残存筋の代償性筋肥大の存在が確認されており,2年目以降の運動負荷による筋肥大促進実験に向けておおむね順調に伸展していると考えている.
|
Strategy for Future Research Activity |
早急に腱板断裂+運動負荷モデルラットを作成し,同様の実験を行うことで実験を進めていく.
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
実験試薬,機器等の購入に使用し,一部残存した研究費については平成25年度請求分と合わせて引き続き実験試薬,機器購入に充てる予定である.
|
Research Products
(1 results)