2014 Fiscal Year Annual Research Report
腫瘍脊椎骨全摘術後の骨欠損に対する自己脂肪由来幹細胞を用いた骨再生
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24592190
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
出村 諭 金沢大学, 大学病院, 講師 (00348228)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 脊椎腫瘍 / 腫瘍脊椎骨全摘術 / 自家骨移植 / 自己脂肪由来幹細胞 / 骨癒合 / 脊柱再建 / 生物学的固定 / 骨欠損 |
Outline of Annual Research Achievements |
【目的】腫瘍脊椎骨全摘術の動物モデルにおいて、脊椎骨欠損部に自己脂肪由来幹細胞(adipose-derived regenerative cells: ADRCs)を用いた脊柱再建を行い、早期の骨形成が得られるか検討を行った。 【方法】成犬の腫瘍脊椎骨全摘モデル12例をADRCs群と対照群に分けた。対照群は移植骨とフィブリン糊を、ADRCs群は移植骨と背部脂肪組織から抽出したADRCsをフィブリン糊と混合したものを用いた。移植後に骨標識剤を皮下投与し,各群術後2週と4週にそれぞれ3例ずつ移植骨部を摘出した。標本をVillanueva bone染色し、正中矢状断の非脱灰研磨切片を作製した。また光学偏光顕微鏡下に骨形態計測を行い比較検討した。 【結果】対照群、ADRCs群ともに上下隣接椎体周囲では骨形成、骨吸収に先行して血管を多く含む線維性組織の増生を認めた。移植部位内に占める線維性組織面積は、2週対照群22.8%/ADRCs群38.0%、4週対照群43.9%/ADRCs群62.9%で、同領域の血管数もADRCs群で多い傾向があった。新生骨に占める層板骨の割合は2週対照群0.6%/ADRCs群21.6%、4週対照群37.9%/ADRCs群40.1%であり、骨形成速度(μm/year)は2週対照群0/ADRCs群143、4週対照群311/ADRCs群958といずれもADRCs群で高値を示し、早期の骨形成が促進されていることが示された。 【結論】脂肪幹細胞は線維性組織を誘導し、より多くの層板骨を形成、骨形成を促進し、早期の移植骨の骨癒合を促進することが期待できる。
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