2012 Fiscal Year Research-status Report
安全かつ強固な新しい腰仙椎固定術式の開発と難治性強度脊柱変形への学際的挑戦
Project/Area Number |
24592206
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
水谷 潤 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (70326156)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鐙 邦芳 北海道大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (00159419)
梅村 淳 順天堂大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (00244567)
大塚 隆信 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (10185316)
山田 和雄 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (90150341)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | パーキンソン / 脊柱変形 / 腰痛 / 脊椎固定術 |
Research Abstract |
臨床研究としては名古屋市立大学病院脳神経外科にて深部脳神経刺激療法をおこなったパーキンソン患者のうち、脊柱変形が進行して強度腰背部痛を来した患者群に対して胸腰仙椎固定術を施行した。 これら患者群では上位胸椎から仙骨固定を行うとインストルメントが破綻する事なく、良好な固定が維持されていたが、1例腰仙椎固定を施行しなかった症例に置いてはインストルメントがバックアウトした。仙腸骨まで固定アンカーを延ばして再手術を行いその後の経過は良好である。強度腰痛を訴え、坐位バランスも不良かつ坐位でも疼痛が認められた患者が、坐位での疼痛が軽減するのみならず歩行時の腰痛も軽減し、歩行能力も改善した。安易にshort fusionを行うべきではなく、胸椎、仙腸骨まで含めた矯正固定が必要であることを明らかとした。パーキンソン脊柱変形に対するDBS治療後の脊柱変形矯正術は、従来報告されているようなインストルメント破綻の危険や矯正損失も少ない事を明らかとした。 基礎的研究としては安全な腰仙椎固定のための、仙骨前面の解剖に関して、3次元造影CTを用いて、特に腸骨動静脈とスクリューの位置関係に関して詳細に検討を加えるためにCTデータを蓄積し安全なスクリュー経路と腸骨動静脈との位置関係に関して一定のデータを得ているがさらに詳細な検討を加えるためにデータを集積中である。 また、同様に腰仙腸骨固定術後の仙腸関節の生体力学的動態に関する基礎的データを集積中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
パーキンソン脊柱変形に対する固定術の腰痛軽減効果を明らかとした
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Strategy for Future Research Activity |
有限要素解析法を用いて仙腸関節及び腰仙椎固定術の3次元的動態解析を行う。また、CTデータから骨密度を測定する方法(Zink et al 1997; Eur Radiol)に準じて骨密度を計測し、仙骨の骨密度の3次元分布を明らかにする。加えて、スクリュー引き抜き強度と骨密度との相関関係を明らかにする。 引き続き、パーキンソン脊柱変形患者に対する矯正固定術積み重ねてゆき臨床的有用性を明らかにしてゆく
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
解剖屍体を用いたスクリュー刺入経路の解析のために、スクリュー等の手術機械及び器具購入、画像解析、英語論文校閲および学会出張旅費に充当する
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Research Products
(1 results)