2013 Fiscal Year Research-status Report
腱・腱鞘再建に対するヒアルロン酸の効果の生体内研究
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24592242
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
西田 淳 岩手医科大学, 医学部, 講師 (20198469)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鎌滝 章央 岩手医科大学, 医学部, 助教 (60360004)
嶋村 正 岩手医科大学, 医学部, 名誉教授 (90118258)
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Keywords | 腱・腱鞘間滑走抵抗 / 腱縫合 / 生体モデル |
Research Abstract |
屈筋腱縫合後の癒着に対する腱剥離術の効果を、犬によるin vivo studyを行い、腱・腱鞘間滑走抵抗の観点からを評価した。また、癒着の評価も行った。 ビーグル犬6頭の左前肢の第2~5指、計24指を対象とし、腱・腱鞘間滑走抵抗を測定した。腱縫合は深指屈筋腱を中節骨部の指屈筋腱腱鞘内を通る部分で横切後Kessler変法にて行った。皮膚縫合後ギプス固定してから3週間後に自動運動を行わせ、その3週後に安楽死させて評価した自動運動群、皮膚縫合後ギプス固定してから3週間後に腱剥離術を行い、その3週後に安楽死させて評価したtenolysis 1群、皮膚縫合後ギプス固定してから6週間後に腱剥離術を行い、その3週後に安楽死させて評価したtenolysis 2群 (以上in vivo群)、犬を安楽死させた後in vivo群と同様に深指屈筋腱を横切後Kessler変法にて腱縫合のみ行い評価したin vitro群、犬を安楽死させた後腱縫合を行わずに単純に腱・腱鞘間滑走抵抗を測定したcontrol群を設定した。各群の腱・腱鞘間滑走抵抗を測定し、各群間で対比した。腱・腱鞘間滑走抵抗は腱・腱鞘間の接触角度は20°,30°,40°,50°,60°にて計測した。癒着はRothkopfらのadhesion rating scale 0~4点の5段階で評価した。 Control群とin vivo群に比し、他の3群では癒着を認めた。滑走抵抗はcontrol群とその他の群間で有意差を認め、自動運動群が最も高く、tenolysis 2群が最も低かった。Tenolysis 1群とin vitro群に有意差はなかった。腱縫合ご3週後よりも6週後に腱剥離術を行う方が滑走抵抗の観点からはより有効と考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度実施した研究成果と今年度の研究成果は、論文として出版し、またInternational hand and upper limb symposium (Brussels)で発表した。腱鞘再建の実験実施の前に、腱剥離の実験を行ったが、種々の因子が複雑に影響して実施が困難な可能性があると思われた腱剥離術のin vivo studyが実施できて、非常に有意義であったと評価している。今後多様なin vivo studyを試みることができる可能性が確認された。 研究期間が4年間であることを鑑みて毎年実験が完全に目標を達成していくと仮定すると、各年度25%ずつ進捗していくことになる。今年度は腱鞘再建のかわりに腱剥離術の実験となったのでその分をマイナス3割と評価し、困難な可能性があると思われた腱剥離術のin vivo studyが実施できたのでその分をプラス1割と評価して、今年度は課題の8割程目標を達成したと考えている。すなわち4年間全体を100%とすれば、今年度はその約20%程度を達成したと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
基本的に当初の研究計画に沿って実験を推進していく方針である。研究費も当初の予算に沿って使用いていく方針である。 平成26年度は犬膝関節から作成した培養滑膜細胞を、犬腱縫合in vivoモデルに対し投与して、腱・腱鞘間滑走抵抗の評価、および形態学的評価を実施する予定である。犬の右前肢12肢を用いる(腱縫合モデル、培養滑膜細胞移植モデル各6頭)。第2、3趾の深指屈筋腱を切断後再縫合した後、6肢には培養滑膜細胞を移植し、6肢には培養滑膜細胞を移植せず創を縫合し、モデル作製8週後に実験動物を安楽死させ、annular pulley(ヒトA2 pulleyに相当)との間で腱・腱鞘間滑走抵抗を測定する。 また滑走抵抗を評価した後、腱・腱鞘組織の一部を15%緩衝ホルマリン液に4日間浸漬固定後、アルコール系列で脱水し、パラフィン固定する。厚さ3μmに薄切し、hematoxylin-eosin 染色、phosphotungstic acid hematoxylin (PTAH)染色、periodic acid Shiff 染色、methylgreen pyronin 染色、Giemsa 染色を行い、組織学的所見を評価する。特に、滑膜細胞の有無、滑膜細胞の局在性、滑膜細胞の壊死の有無について評価を行う。また標本の一部を2%グルタールアルデヒド固定後オスミウム固定を加えてからエポン包埋を行った後、厚さ2μmに薄切し、電子顕微鏡的検索を行う。電顕的には、滑膜細胞の亜型分類を行い、各滑膜細胞の局在性を評価する。これらの形態学的評価結果を各腱群毎に対比し、違いを評価する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
実験に使用した犬の餌の量が、計画より少なかったため次年度使用額が生じた。 成果発表費用として、学会出張旅費、論文出版費、英文校正費を支出予定である。また1997年度の科研費で購入した滑走抵抗計測装置と関連機器が老朽化してきたため、更新を考えている。
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Research Products
(3 results)