2014 Fiscal Year Research-status Report
腱・腱鞘再建に対するヒアルロン酸の効果の生体内研究
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24592242
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Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
西田 淳 東京医科大学, 医学部, 教授 (20198469)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鎌滝 章央 岩手医科大学, 医学部, 助教 (60360004)
多田 広志 岩手医科大学, 医学部, 助教 (50593638)
嶋村 正 岩手医科大学, 医学部, 名誉教授 (90118258) [Withdrawn]
三又 義訓 岩手医科大学, 医学部, 助教 (40740717)
立岩 俊之 東京医科大学, 医学部, 助教 (00424630)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 腱縫合 / 癒着腱剥離 / 滑走抵抗 |
Outline of Annual Research Achievements |
ビーグル犬6頭の右前肢の第2~5指計24指のうち条件を満たした21指を対象とし、腱・腱鞘間滑走抵抗を測定した。腱縫合は深指屈筋腱を中節骨部の指屈筋腱腱鞘内を通る部分で横切後Kessler変法にて行った。術後ギプス固定してから3週後に腱剥離を行い自動運動を行わせその3週後に安楽死させた群(T in vivo群)、3週固定後に腱剥離を行わず自動運動を行わせその3週後に安楽死させた群(F群)、3週固定後に安楽死させ腱剥離を行った群(T in vitro群)、対側の21 指のうちat randomに7指をコントロール群(C群)とした。 各群の腱・腱鞘間滑走抵抗を測定し対比した。滑走抵抗は腱・腱鞘間の接触角度20°,30°,40°,50°,60°で計測した。癒着はRothkopfらのadhesion rating scale 0~4点の5段階で評価した。癒着の評価ではT in vivo群の腱剥離時にも評価し、T in vivo 3W群とした。 癒着スコアはC群に比しT in vitro群、T in vivo 群、F群はいずれもスコアが高かった(p<0.05)。またF群はT in vivo群と比しスコアが高かった(p<0.05)。その他の群間の比較では有意差はなかった。滑走抵抗値は、T in vivo群とC群、T in vitro群とC群では各群間で全角度においてC群の滑走抵抗値が低かった。T in vivo群とT in vitro群間では全角度においてT in vivo群の滑走抵抗値が低かった(p<0.05)。なお、F群では癒着のため滑走抵抗測定ができなかった。 腱縫合後に腱剥離を追加することでより滑走抵抗の少ない状態が得られることが確認された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
昨年度と今年度の研究成果は、The 10th Asian Pacific Federation of Societies for Surgery of the Hand (Kuala lunpur)で発表した。種々の因子が複雑に影響して実施が困難な可能性があると思われた腱剥離術のin vivo studyの結果が得られて有意義であったと評価している。昨年度の研究成果を補うデータが得られた。今後更に多様なin vivo studyを試みることができると考えている。 研究期間が4年間であることを鑑みて毎年実験が完全に目標を達成していくと仮定すると、各年度25%ずつ進捗していくことになる。今年度は昨年度に引き続き腱剥離術の研究を行い、腱鞘再建の実験には至らなかったのでその分をマイナス5割と評価し、腱剥離術のin vivo studyを深めることができたのでその分をプラス1割と評価して、今年度は課題の4割程目標を達成したと考えている。すなわち4年間全体を100%とすれば、今年度はその約10%程度を達成したと考えている。研究代表者の転勤があり、研究が遅延した。今後取り戻すよう努める所存である。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度に実施できなかった実験を推進していく方針である。研究費もそれに合わせて使用いていく方針である。 平成27年度は犬膝関節から作成した培養滑膜細胞を、犬腱縫合in vivoモデルに対し投与して、腱・腱鞘間滑走抵抗の評価、および形態学的評価を実施する予定である。犬の右前肢12肢を用いる(腱縫合モデル、培養滑膜細胞移植モデル各6頭)。第2、3趾の深指屈筋腱を切断後再縫合した後、6肢には培養滑膜細胞を移植し、6肢には培養滑膜細胞を移植せず創を縫合し、モデル作製8週後に実験動物を安楽死させ、annular pulley(ヒトA2 pulleyに相当)との間で腱・腱鞘間滑走抵抗を測定する。 また滑走抵抗を評価した後、腱・腱鞘組織の一部を15%緩衝ホルマリン液に4日間浸漬固定後、アルコール系列で脱水し、パラフィン固定する。厚さ3μmに薄切し、hematoxylin-eosin 染色、phosphotungstic acid hematoxylin (PTAH)染色、periodic acid Shiff 染色、methylgreen pyronin 染色、Giemsa 染色を行い、組織学的所見を評価する。特に、滑膜細胞の有無、滑膜細胞の局在性、滑膜細胞の壊死の有無について評価を行う。また標本の一部を2%グルタールアルデヒド固定後オスミウム固定を加えてからエポン包埋を行った後、厚さ2μmに薄切し、電子顕微鏡的検索を行う。電顕的には、滑膜細胞の亜型分類を行い、各滑膜細胞の局在性を評価する。これらの形態学的評価結果を各腱群毎に対比し、違いを評価する。 また成果発表費用として、学会出張旅費、論文出版費、英文校正費として支出予定である。また1997年度の科研費で購入した滑走抵抗計測装置と関連機器が老朽化してきたため、更新する予定である。
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Causes of Carryover |
研究代表者の転勤により、実験進行が遅延した。また同じ理由から論文作成ができなかった。このため次年度遅延を取り戻す所存である。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
購入後15年以上経過した実験器具の購入費用に活用する予定である。また、至急論文作成を行う予定である。
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Research Products
(2 results)