2014 Fiscal Year Annual Research Report
ポルフィリン化合物の放射線増感効果を利用した骨肉腫治療法の開発
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24592246
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
吉田 行弘 日本大学, 医学部, 講師 (20201022)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤原 恭子 日本大学, 医学部, 助教 (40595708)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 骨肉腫 / 放射線増感剤 / 光増感剤 |
Outline of Annual Research Achievements |
骨肉腫は予後不良の悪性腫瘍であり、放射線感受性が低く化学療法にも限界があることから、新規の有効な治療法が切望されている。最近我々は、光化学療法に用いられるポルフィリン化合物HPPH の誘導体の1つに放射線増感効果があることを確認した。HPPH 誘導体717投与後に放射線を当てた細胞株では、放射線のみ、もしくは化合物のみの群と比べて顕著に細胞死が誘導されることが、乳癌、膀胱癌で確認できた。本研究では、717の放射線増感剤としての汎用性、作用機序を調べるために解析を行ったところ、骨肉腫細胞株G292, HOS, SAOS2 においても同様の効果が確認できた。しかしながら、717が枯渇したため再度合成を行ったところ、放射線増感効果が観察されなくなった。合成は複数回行ったが放射線増感効果のあるものが得られず、また装置の不具合なども見つからなかった。平行して新規のポルフィリン化合物やルテニウム錯体を設計・合成し、機能解析を行ったが、放射線増感効果が得られなかった。 一方、これらの過程で通常の光増感剤よりも長波長側の光を吸収する化合物が得られたため、最終年度は主にそれらの骨肉腫細胞株に対する効果に焦点を当て研究を続行した。我々が作成したPhorbinepropanoic骨格を持つ化合物4種類は410nm 付近と680nm 付近に吸収波長を持つが、このうちの3種類が680nmの波長の光に対して増感効果を持ち、骨肉腫細胞株を死滅させることを確認した。一方、410nm付近の光に対しては増感効果が確認できなかった。これらの化合物は1μM より有意な殺細胞効果を示し、3μM以上で細胞を完全に死滅させた。また、その効果は側鎖の構造により異なることも判った。長波長側の光は生体内分子に吸収されにくく、到達深度が高いことから、これらの増感剤は新規の癌治療ツールとして期待できる。
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