2013 Fiscal Year Research-status Report
ビタミンE誘導体ETS-GSを用いた脊髄損傷に対する新規治療法の開発
Project/Area Number |
24592303
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
内納 智子 大分大学, 医学部, 医員 (90404368)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
萩原 聡 大分大学, 医学部, 講師 (50527661)
小山 淑正 大分大学, 医学部, 助教 (40468012)
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Keywords | 脊髄損傷 / ビタミンE |
Research Abstract |
平成25年度は新規ビタミンE誘導体ETS-GSを0.5%含有した餌を長期間(4週間)投与した場合の運動機能の改善効果について検討した。運動機能は前年度の報告で述べたように、脊髄損傷受傷3日目より有意差をもって改善が認められた。餌の摂取量は最初の3日間は10-15 g/day、ETS-GSに換算すると50-75 mg/dayであった。今回血中濃度を測定していないので、この量のどれくらいが吸収されたのかは不明である。1週間後から1日20-25g前後(ETS-GS 100-125mg)で推移した。組織学的検討では4週間後の脊髄組織の空洞化の軽減が認められ、これは運動機能の有意な改善と一致する結果であった。長期間投与による運動機能改善のメカニズムについていくつかの文献を参考にMIF (macrophage inhibitory factor), HMGB-1(high morbidity group box-1), galectin-3の関与について検討した。脊髄損傷受傷1週間後に摘出した脊髄組織よりタンパクを抽出しウエスタンブロット法によりシャムオペ群、脊髄損傷群、脊髄損傷+ETS-GS投与群でMIF、HMGB-1、galectin-3の発現を比較した。しかしながらいずれも脊髄損傷により発現の増加は認められるもののETS-GS投与により有意な変化は認められなかった。これらの結果からETS-GSの効果は別の経路を介していると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度検討した項目はETS-GSの効果のメカニズムを説明するには不十分であった。今後は網羅的に検討して絞り込む作業が必要である。
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Strategy for Future Research Activity |
まずシグナル伝達経路を網羅的に解析したのち、ETS-GS投与により変化のあった経路を重点的に検討し、それに関連したサイトカインやケモカイン等を検討することによりETS-GSの効果のメカニズムの解明を目指す。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本年度はターゲットを絞って検討を行ってみたが、十分な結果が得られなかった。次年度は網羅的解析を行ってからターゲットを絞り込む作業を行うため、より多くの研究費が必要であると考えたため。 Bio-Plex cell signaling assayを用いた網羅的シグナル伝達経路のリン酸化の測定、各種サイトカインの測定など。
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Research Products
(1 results)