2014 Fiscal Year Research-status Report
ビタミンE誘導体ETS-GSを用いた脊髄損傷に対する新規治療法の開発
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24592303
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
内納 智子 大分大学, 医学部, 医員 (90404368)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
萩原 聡 大分大学, 医学部, 講師 (50527661) [Withdrawn]
小山 淑正 大分大学, 医学部, 助教 (40468012)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 脊髄損傷 / ビタミンE |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度はラット脊髄損傷モデルにおける新規ビタミンE化合物ETS-GSの脊髄保護効果のメカニズムを詳細に検討することを目標として実験を行った。まず可能性のあるシグナル経路を中心とした伝達物質のリン酸化を網羅的に調べるためにBio-Plexを用いて、脊髄損傷に関連するという報告のあるPI3K, Akt, mTOR, ATF-2, MEK1, NF-kB, p38MAPK, STAT3, GSK-3bについてそれぞれのリン酸化をシャムオペ群、対照群(脊髄損傷あり)、ETS-GS群(脊髄損傷+ETS-GS投与)について検討した。その結果、ETS-GS群ではPI3-Akt-mTOR経路、STAT3, GSK-3bが活性化しており、これらのシグナルが関与している可能性が示唆された。現在ウエスタンブロット法により確認しているところである。 またETS-GSの抗酸化剤としての直接効果を確認するため、iNOSの発現をウエスタンブロット法を用いて調べたところ、ETS-GS投与によりiNOSの発現は抑制されており、抗酸化作用も脊髄保護効果に関与していることが示唆された。 TUNEL染色を詳細に検討したところ、今回のモデルではグリア細胞を中心としたアポトーシスが認められ、神経細胞にはあまり認められていないことがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
bioplexを用いて網羅的解析を行った結果、複数の伝達物質が候補としてあがってきたため、検証するのに時間がかかってしまった。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度はbioplexで得られた情報から、ETS-GSの脊髄保護作用におけるシグナル経路を同定する予定である。
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Causes of Carryover |
検討項目が複数あるため、検証方法の検討と物品の選定に時間を要したため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
検討するシグナル伝達物質の抗体やウエスタンブロットの物品、論文作成のための英文校正などに使用する予定である。
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