2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24592345
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
奥田 健太郎 大分大学, 医学部, 講師 (60284808)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | FCA / 亜急性疼痛 / 光照射 / 鎮痛 |
Research Abstract |
末期がん患者を初めとして多くの人たちが、慢性疼痛に悩まされている。この様な痛みに対する治療法としては、薬物療法や神経ブロック療法の実施が一般的である。しかしながら、どちらの治療法にしても副作用や合併症があり、まして出血傾向のある患者やがん末期患者では治療法が制限されることも多い。我々の研究室では、生体内のホルモン等に鎮痛作用があることを報告してきた。その一方で近年の生活スタイルが生体のリズムを崩しやすい状況と考え、生体内のホメオスターシスの維持が鎮痛作用に通じるのではないかとの結論に達し、今回の研究に至った。規則的な光の照射が生体のホメオスターシスを維持し、その結果、副作用や合併症を生じることなく鎮痛効果を発揮する治療法につながるか否かについて検討を行っている。平成24年度はまずFCA投与亜急性疼痛モデルにおけるライト照射の有効性の検討が行われた。この検討は今後の研究の根幹を成すものであり、十分な検討が必要であった。200Lx、2500Lx、5000Lxの3つの照度のライト照射群において最も鎮痛効果を有する照度を求めるものであった。測定結果から2500Lx群において鎮痛効果の傾向が認められている。この実験結果が次の実験段階へつながるため、十分な個体数に対して測定を行う必要があり、現在も測定を継続している状況である。十分な個体数が得られるまで検体より採取された血液の血清中サイトカインの測定、足底部の組織学的検討、並びに各種蛋白質の発現変化の検討も保留、採取血液、並びに足底組織は凍結保存をした状態である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
疼痛の評価を行う際に実験動物の患肢に熱刺激を与えることで測定しなければならないが、測定時刻もまた厳密にしなければその実験動物の活動性から誤差が大きくなる。 200Lx、2500Lx、5000Lxの3つの照度のライト照射群において最も鎮痛効果を有する照度を求めるものだが、この実験結果が次の実験段階へつながるため、十分な個体数に対して測定を行う必要があり、現在も測定を継続している状況である。また、発痛物質であるFCAを投与してから1週間継続しての測定が必要であり、経時的にも十分な個体数が必要であるため、進行が明らかに遅れている状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
①十分な個体数に対して200Lx、2500Lx、5000Lxの3つの照度のライト照射群において最も鎮痛効果を有する照度を求め、その後、各群間において血清中サイトカインの測定、足底部の組織学的検討並びに各種蛋白質の発現変化の検討を行い、ライト照射での有効性を検討する予定である。 ②現在、鎮痛効果を示す照度の結果が得られつつあるため、鎮痛効果の最も認められたライト照射群において同じFCA投与亜急性疼痛モデルを用い、従来型鎮痛薬(NSAIDs)とライト照射の比較を行う予定である。比較対象とするNSAIDsには注射剤であるフルルビプロフェンアキセチルを使用する。 ③最も鎮痛効果を有するライト照射群を確認した後、疼痛誘発後のライト照射での疼痛改善効果を検討する。ライトの照射は疼痛誘発翌日より開始し、1週間の鎮痛測定をこれまでと同様の方法で行う。さらに、正常皮下組織ならびにFCA投与亜急性疼痛誘発後、さらにはライト照射をFCA投与亜急性疼痛誘発前に施行し各々の組織において網羅的に足底組織中のリン酸化タンパク質の変化を検討する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
昨年度の使用内容を振り返った結果、実験動物、使用薬物、実験に必要となる物品(消耗品を含む)にて本年度の交付を概ね使用するものと思われる。但し、実験照射群が有効群のみとなるため、実験動物での使用は昨年度よりは減じるものと思われ、その分、学会発表を含む旅費に使用することを計画する。
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