2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24592345
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
奥田 健太郎 大分大学, 医学部, 講師 (60284808)
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Keywords | FCA / 亜急性疼痛 / 光照射 / 鎮痛 / 2500Lx / 抗炎症効果 |
Research Abstract |
末期がん患者を初めとして多くの人たちが、慢性疼痛に悩まされている。この様な痛みに対する治療法としては、薬物療法や神経ブロック療法の実施が一般的である。しかしながら、どちらの治療法にしても副作用や合併症があり、出血傾向のある患者やがん末期患者では神経ブロック療法は困難で実施できないことも多い。これまで我々の研究室では、生体内のホルモン等に鎮痛作用があることを報告してきた。その一方で近年の生活スタイルが生体のリズムを崩しやすい状況と考え、生体内のホメオスターシスの維持が鎮痛作用に通じるのではないかとの結論に達し、慨日リズムが疼痛に影響するのではないかと考えた。規則的な光の照射が生体のホメオスターシスを維持し、その結果、副作用や合併症を生じることなく鎮痛効果を発揮する治療法につながるか否かについて検討を行っている。平成24年度はまずFCA投与亜急性疼痛モデルにおけるライト照射の有効性の検討が行われた。この検討は今後の研究の根幹を成すものであり、十分な検討が必要であった。200Lx、2500Lx、5000Lxの3つの照度のライト照射群において最も鎮痛効果を有する照度を求めるものであった。測定結果から2500Lx群において鎮痛効果の傾向が認められている。検体より採取された血液の血清中サイトカインの測定、足底部の組織学的検討は現在処理中で統計処理には至っていない。FCA投与亜急性疼痛モデルは局所での炎症反応を惹起したモデルであるが、当教室に於ける全身性炎症反応のモデルでは抗炎症効果が認められており、その効果が期待できる状況と考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
疼痛の評価を行う際に実験動物の患肢に熱刺激を与えることで測定しなければならないが、測定時刻もまた厳密にしなければその実験動物の活動性から誤差が大きくなる。しかし、現在その測定時刻の確保が困難なことが多く、測定が遅々とした。200Lx、2500Lx、5000Lxの3つの照度のライト照射群において2500Lxが最も鎮痛効果がある傾向が認められたが、その抗炎症効果を確認するためのサイトカインの測定や採取組織の検討にまだ至っていない。
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Strategy for Future Research Activity |
①十分な個体数に対して200Lx、2500Lx、5000Lxの3つの照度のライト照射群において最も鎮痛効果を有する照度を求め、その後、各群間において血清中サイトカインの測定、足底部の組織学的検討並びに各種蛋白質の発現変化の検討を行い、ライト照射での有効性を検討する予定である。 ②現在、鎮痛効果を示す照度が2500Lxと傾向から結論づけているが、2500Lxライト照射群において同じFCA投与亜急性疼痛モデルを用い、従来型鎮痛薬(NSAIDs)とライト照射の比較を行う予定である。比較対象とするNSAIDsには注射剤であるフルルビプロフェンアキセチルを使用する。 ③疼痛誘発後のライト照射での疼痛改善効果を検討する。ライトの照射は疼痛誘発翌日より開始し、1週間の鎮痛測定をこれまでと同様の方法で行う。さらに、正常皮下組織ならびにFCA投与亜急性疼痛誘発後、さらにはライト照射をFCA投与亜急性疼痛誘発前に施行し各々の組織において網羅的に足底組織中のリン酸化タンパク質の変化を検討する予定である。 ④現在、当院は病院の改築中であり、病室の照度に格差が著明に認められる状態になっている。それ故、現状把握のために病室の照度を測定し、必要な照度を供給し、鎮痛評価を行う予定である。良性疾患では様々な疾患に至り、個体数の確保が困難になる可能性もあるため、まずはがん患者での疼痛評価を行う予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
動物実験でのサイトカインの測定や組織標本の処理が遅延しているために学会への参加に未だ至っていないために旅費の予算などが残っているため。 動物実験に於いては鎮痛薬と光照射の比較を行なうため、鎮痛薬の購入が必要である。 また、病室においては照度を確認するための照度計や必要な照度を確保するための設備の整備が必要である。
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