2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24592345
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
奥田 健太郎 大分大学, 医学部, 講師 (60284808)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | FCA / 亜急性疼痛 / 光照射 / 照度 / 抗炎症効果 |
Outline of Annual Research Achievements |
末期がん患者を初めとして多くの患者が慢性疼痛に悩まされている。慢性疼痛に対する治療法としては薬物療法や神経ブロック療法の実施が一般的である。しかしながら、いずれの鎮痛法にしても副作用や合併症を生じることもあり、また、状態によっては実施ができないこともある。これまで我々の研究室では生体内のホルモン等に鎮痛作用があることを報告してきた。その一方で近年の生活スタイルが生体のリズムを崩しやすい状況に至らしめている可能性を考え、生体内のホメオスターシスの維持が鎮痛作用に寄与する、概日リズムが鎮痛に影響すると考えた。そのため規則的な光の照射が生体のホメオスターシスを維持し、副作用や合併症を生じる事なく鎮痛効果が得られるのではないかと考え検討を行なっている。FCA亜急性疼痛モデルを用いて鎮痛効果を有する照度をまず求めた。測定結果から2500Lxにて鎮痛効果を認めている。一方、当教室において全身性炎症反応モデルにおいて光照射による抗炎症効果が認められていることも報告されている。しかし、一般的に病室の照度はそれほど高くないため、現状把握のためにその状況での鎮痛効果と照度の測定を実施した。各部屋の照度は各々概ね一定値で推移するが、一般的に低く、鎮痛効果の有する照度には遠く及ばない。さらに、鎮痛状態は鎮痛方法の変更や治療状況により日々変化し、照度が低い状況でも鎮痛が得られていることから鎮痛に寄与したと考えられる因子を列挙する必要がある。その上で今後、光照射を実施した際に鎮痛に寄与したと考えられる因子をどれだけ減じる事ができるか判定する事で光照射の鎮痛効果を最終的に評価したいと考えている。また、今後は鎮痛状態と思考には関与があると言われているため、照度や光照射と精神状態についても検討を実施したいと考えている。
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