2016 Fiscal Year Annual Research Report
Research on the mechanism and treatment of chemotherapy-induced peripheral neuropathy
Project/Area Number |
24592358
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
下山 恵美 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (10206253)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
下山 直人 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (40196572)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | オキサリプラチン / 化学療法惹起性末梢神経障害 / ミトコンドリア |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究で、オキサリプラチンを繰り返し投与して惹起される慢性末梢神経障害は、ミトコンドリア保護作用のあるSS-31ペプチドをオキサリプラチン投与期間中に持続投与することにより、その出現を予防することができることを示したが、SS-31はミトコンドリアのカルジオリピンに作用することによるミトコンドリア保護作用と同時に抗酸化作用があり、その両者もしくはいずれかによって神経障害の予防効果が発現する可能性が考えられた。しかし、酸化作用は抗がん剤の抗がん作用の一部を担っていると考えられており、臨床でSS-31を化学療法惹起性末梢神経障害の予防のために抗がん剤と併用するとなれば、その抗酸化作用により抗がん剤の抗がん作用を減弱させる可能性が考えられる。そこで、抗酸化作用がなく、ミトコンドリアのカルジオリピンに作用してミトコンドリアを保護する作用をもつSS-20ペプチドのオキサリプラチン惹起性末梢神経障害に対する予防効果を検討した。オキサリプラチン投与期間中のSS-20の持続投与により、慢性末梢神経障害による神経障害性疼痛は低減し、足底の表皮内神経線維の消失も予防された。よって、SS-20はオキサリプラチン惹起性慢性末梢神経障害の予防に有用な可能性が示唆された。
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