2014 Fiscal Year Research-status Report
頚動脈ドップラーを用いた無侵襲連続動脈圧モニター装置の開発
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24592367
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Research Institution | Kawasaki Medical School |
Principal Investigator |
藤田 喜久 川崎医科大学, 医学部, 教授 (10144263)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 生体情報監視装置 / 血圧 / 非侵襲モニター / ドップラー / 脈波伝搬速度 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は心電図とドップラー信号を用いて心臓―総頸動脈間の脈波伝搬速度(PTT)から非侵襲的な血圧モニターの装置の開発である。2012年、2013年度の研究成果からPTTから血圧を計算する一次回帰式は患者間あるいは同一患者においてもばらつきが大きいことがわかった。一般的な予測式を求めるのではなく、直接動脈圧あるいはマンシェットによる血圧測定により一定時間ごとに補正する方式に変換した。このために当初予定していた多くの患者よりのデータ取得や患者からの採血を行う必要がなくなったために、当初予算から未使用が発生した。 15分ごとに較正を行う方式により、ICUで治療中の患者13名においてそれぞれ約1時間データを取得しデータをまとめた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
装置の開発について、年齢、性別などの一般的特性から較正式を求める方式から、間欠的較正法に変更することで、大きな誤差を生じる可能性は少なくなりドップラーをもちいた無侵襲血圧計の実現に近づいたと思われる。本研究ではゴールドスタンダードとして、直接動脈圧を用いており、マンシェットを用いた自動血圧計(オシレーション法)とドップラー装置との統合は、将来の課題と思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
患者よりのデータ収集は一応、終了したと考えている。これまでの研究成果をまとめた研究成果を、ベルリンで開催されるヨーロッパ麻酔学会(2015年5月29日から6月2日)にて発表予定である。また学会での発表時の他の研究者およびベルリン大学の研究者のアドバイスをえて、早急に論文としてこれまでの研究成果をまとめて発表したいと考えている。
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Causes of Carryover |
当初の研究計画では、患者の年齢、性別、身長、体重、血液検査値などの固有値より脈波伝搬時間を血圧に変換する較正式を作成することを予定した。しかしデータのばらつきが大きいなどの問題点から、15分ごとの較正値を用いた間歇的較正法に変換することにした。このために多数の患者よりのデータ取得、血液採取が必要でなくなった。 一方で、間歇的較正法にて血圧をモニターするために集中治療室の患者を対象としてあらたにデータを取得する必要が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
2015年度には、ベルリンで開催されるヨーロッパ麻酔学会にて成果を発表するための旅費として使用したい。またその後の英文誌への論文投稿のための費用(英文校正およびオープンアクセス)のためにも使用したい。
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Research Products
(3 results)