2014 Fiscal Year Annual Research Report
のう胞形成前立腺癌異種移植モデルを用いた前立腺癌分泌蛋白質の発現・機能解析
Project/Area Number |
24592385
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
井上 貴博 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (80511881)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松井 喜之 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (00582107)
山崎 俊成 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (00607749)
小川 修 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (90260611)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 前立腺癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
進行性前立腺癌において去勢抵抗性療法が標準治療であるが、ほぼ全例、平均2年の奏功期間ののち、去勢治療に抵抗性を示す去勢抵抗性前立腺癌(CRPC)となる。CRPCに対しては、抗がん剤治療も限られており、CRPCの伸展機序の解明に伴う新規標準治療の開発が急務となっている。我々は嚢胞を形成する患者癌組織由来Xenograft、KUCaP-3を新規に樹立した。KUCaP-3は臨床癌と同様に、アンドロゲン受容体を発現し、多量のPSAを発現している。本Xenograftモデルを用い、去勢抵抗性を獲得する前後で嚢胞液内のヒト由来の分泌蛋白質を網羅的に質量分析で解析した。その結果、Niemann-Pick病typeC2の原因遺伝子であるNPC2が高度に発現していた。またこの蛋白の発現は悪性度と負の相関を示すことがわかった。さらに臨床検体での発現解析で、前立腺の腺管構造とも負の相関を示していた。腺管構造を形成しうる細胞株であるRWPE-1を用いて、このNPC2をノックダウンしたクローンを作成し、三次元培養を行うと、ノックダウンしたクローンの腺管形成は抑制された。これらを踏まえ、NPC2が前立腺の腺管構造に関わる蛋白としてさらに解析を進めている。また他の候補として、悪性度と正の相関を示す蛋白を選定し、前立腺癌の新規治療標的及びバイオマーカーの足り得るものを探索している。
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