2013 Fiscal Year Research-status Report
磁性ナノビーズを用いた前立腺癌におけるタキサン系抗癌剤耐性獲得機序の解明
Project/Area Number |
24592405
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
高羽 夏樹 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 客員講師 (80294081)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三木 恒治 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (10243239)
河内 明宏 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (90240952)
鴨井 和実 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (40295663)
沖原 宏治 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (80285270)
木村 泰典 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (20398374)
上田 崇 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (50601598)
岩田 健 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 客員講師 (00552209)
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Keywords | 前立腺癌 / 抗癌剤耐性 / タキサン / ナノビーズ / ケミカルバイオロジー |
Research Abstract |
本研究では、OH基を有するドセタキセルおよびカバジタキセルの結合タンパクをナノ磁性ビーズを用いて前立腺癌細胞株から精製・同定を行う。抗癌剤感受性株と同じ株から確立した耐性株の両方から精製した抗癌剤結合タンパクの比較により、抗癌剤耐性機序の解明を試みる。 アンドロゲン非依存性前立腺癌細胞株のDU145から確立した2種類のドセタキセル耐性株を、平成24年度に他の研究施設より得ることができた。平成25年度に、この二つのドセタキセル耐性株と親株のDU145 (ドセタキセル感受性株)から抽出したタンパクから、ナノ磁性ビーズを用いてドセタキセル結合タンパクを精製する方法の適正化を行った。その結果、二つのドセタキセル耐性株のうち一つの細胞株において、5個のドセタキセル結合タンパクの候補を精製することが可能となった。電気泳動のゲル上で異なるバンドとして分離精製したこれら5個のタンパクの同定は、質量分析(MALDI-TOF)で行った。5個のドセタキセル結合タンパク候補のうち一つが、ドセタキセルの標的タンパクであるチュブリンであることが明らかとなり、今回適正化をはかった精製方法で確かにドセタキセル結合タンパクが精製されていることが確認できた。残りの4個の候補タンパクのうち、2つはribosomal protein、1つはzinc finger protein、1つはGolgi体・小胞体の機能や核膜分解に関わるタンパク、と同定された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
ナノ磁性ビーズを用いてドセタキセル結合タンパクを精製する方法の各段階の適正化・条件決め(ビーズに固定するドセタキセルの濃度、精製したタンパクを分離同定するための電気泳動のゲルの種類や濃度など)に予想以上の時間を要した。また、適正化した方法により精製したタンパクの電気泳動による分離パターンの再現性については時間を費やして確認を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
質量分析により遺伝子名が同定できた上記の5個のドセタキセル結合タンパクのドセタキセル感受性株および耐性株における発現量をWestern blot・RT-PCRにより確かめる。ドセタキセル感受性株および耐性株における発現量に有意な差がみられるドセタキセル結合タンパクについては、siRNAを用いた発現抑制実験により機能解析を行い、ドセタキセルの感受性に及ぼす影響につき検討を行う。以上によりドセタキセル感受性調整タンパクの同定を試みる。 上記のドセタキセル感受性株および抵抗株を用いてカバジタキセル感受性試験を行い、感受性に有意な差があれば、これらの細胞株からカバジタキセル結合タンパクの精製を試みる。カバジタキセルとドセタキセルの構造式が類似していることより、ドセタキセル結合タンパク精製と同様の方法を用いることにより、カバジタキセル結合タンパクの精製も比較的短期間で行いうると推測する。カバジタキセル結合タンパクの同定を質量分析で行った後、それぞれのタンパクの発現量の確認と機能解析は上記のドセタキセル結合タンパクと同様の方法で行う。以上によりカバジタキセル感受性調整タンパクの同定を試みる。 上記により同定されたドセタキセルもしくはカバジタキセルの感受性調整タンパクの臨床検体における発現については、免疫組織化学、ELISAなどで検討する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
実験の進捗により購入物品が変更したため、残額が生じた。 ・抗癌剤結合タンパクの精製(試薬など)、発現抑制実験(siRNA、試薬など)、Western blot・RT-PCR・免疫組織化学・ELISA(抗体、試薬など、細胞培養(プラスチック容器、培養液など)を購入予定。学会発表旅費、印刷費用など。
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Research Products
(1 results)
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[Presentation] HIGH MOBILITY GROUP PROTEIN AT-HOOK 1 (HMGA1) IS ASSOCIATED WITH THE DEVELOPMENT OF ANDROGEN INDEPENDENCE AND DOCETAXEL-RESISTANCE IN PROSTATE CANCER CELLS
Author(s)
Natsuki Takaha, Yoshihiro Sowa, Ichiro Takeuchi, Takashi Ueda, Saya Ito-Ueda, Yasunori Kimura, Tsuyoshi Iwata, Terukazu Nakamura, Fumiya Hongo, Kazumi Kamoi, Koji Okihara, Akihiro Kawauchi, Tsuneharu Miki
Organizer
108th American Urological Association Annual Meeting
Place of Presentation
San Diego Convention Center