2014 Fiscal Year Annual Research Report
前立腺癌に対する分子治療薬療法におけるシグナルクロストークの解明
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24592412
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
清田 浩 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (30153240)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 高弘 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (00307430)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 前立腺癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は慈恵医大泌尿器科で樹立した前立腺癌マウス皮下移植モデルJDCaPを用い、前立腺癌における発癌・増殖シグナルのクロストークを解明することを目的としている。JDCaPはホルモン抵抗性前立腺癌患者から樹立したにもかかわらず、ホルモン依存性を示すだけではなく、アンドロゲンレセプター(AR)陽性、PSA陽性、PTEN陰性と前立腺癌の臨床的性格を保持していること、またTMPRSS2-ERG癒合遺伝子を発現しているとても特徴的なモデルであり、前立腺癌におけるシグナル経路の解明に極めて有用なモデルであると考えられる。本研究は前立腺癌マウス皮下移植モデルJDCaPを用い、前立腺癌における癌・増殖シグナルのクロストークを解明することを目的とする。 前立腺癌の増殖シグナルにはAR経路、チロシンキナーゼ~Aktシグナル経路やRas-MAPキナーゼシグナル経路などが関係していることが示唆されている。平成24、25年までに、JDCaPモデルにおける各シグナル経路の活性化を解析し、AMACR、PSCAなどの前立腺癌マーカーが陽性であることを確認した。さらに、JDCaP皮下移植モデルを用いてホルモン療法、分子標的薬の効果を検討した。ビカルタミド投与により、腫瘍は縮小し、JDCaPの内分泌感受性が確認された。また、チロシンキナーゼ阻害薬であるスニチニブ投与でも腫瘍は縮小し、同薬の有効性が確認された。しかしmTOR阻害薬であるエベロリムス投与では副作用が強く、抗腫瘍効果は確認されなかった。 平成26年度はスニチニブおよびビカルタミド投与によるシグナル経路の解析を行った。ビカルタミド投与により、ARシグナル経路は抑制された一方で、チロシンキナーゼ~Aktシグナルの活性化が起こり、それぞれのシグナル経路のクロストークが確認された。
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