2013 Fiscal Year Research-status Report
不育症克服を目指した新規胎盤関連因子の探索と機能解析
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24592454
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
森岡 裕香 北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 助教 (00360264)
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Keywords | 胎盤 / レンチウイルスベクター / 発生工学 |
Research Abstract |
本年度は、前年度の探索研究によって見出された8つの新規胎盤関連候補遺伝子を対象として、生理的な意義の解明を目的としたin vivo解析に着手した。具体的な成果を以下に示す。 ①胎盤特異的遺伝子操作技術を利用したin vivo機能解析 各候補因子のcDNAを発現するレンチウイルスベクターを構築し、透明帯を除去したマウス胚盤胞期胚に感染させて偽妊娠マウスに移植することで、栄養外胚葉層ならびに胎盤特異的な過剰発現を行った。原因は不明であるが、3つの候補因子については、マウス初期胚への遺伝子導入に十分な高力価のレンチウイルスベクターを得る事ができず、過剰発現実験は行えなかった。残りの5つの候補因子について、移植後胎生13.5日目に解剖して生存している胚の数をコントロール群と比較したところ、若干の増加や減少の傾向はあるものの、有意な差は認められなかった。そこで、さらに詳細な解析を行ったところ、1つの候補因子については、胎生18.5日目の胎児ならびに胎盤重量の有意な低下が確認され、胎盤組織切片を観察したところ、海綿状栄養芽細胞層が減少していることが明らかとなった。現在、ヒト不育症病態との関連性等について解析を進めている。 一方で、shRNA発現レンチウイルスベクターを利用した同様の解析ではどの因子も明らかな表現型を示さなかったが、in vivoにおける発現抑制効果が十分でないためと考えられたため、ノックアウトマウス作製による確実な解析を行う事とした。 ②ノックアウトマウスの作製ならびに解析 8つの新規胎盤関連候補遺伝子全てについて、ノックアウトマウスの作製を行った。短期間で完成させるために、3つの因子については組換えES細胞を、5つの因子についてはターゲティングベクターを、The International Mouse Phenotyping Consortiumから購入した。現時点で5系統のヘテロマウスが完成しており、ホモ化を進めるとともに種々の解析に着手している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
胎盤関連因子の探索は、遺伝子とmiRNAの2つに着目して遂行する予定であったが、miRNAに関しての解析が予定よりも遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究で見出された新規胎盤関連候補遺伝子について、現在独自に作製を進めているノックアウトマウスを完成させる。 完成したノックアウトマウスは、各候補遺伝子の個体レベルでの機能解析に利用するとともに、不育症モデルマウスとしての有用性を評価し、不育症の原因究明や予防・診断・治療法開発に繋がる知見の収集を目指す。 初年度の計画では、胎盤関連因子の探索について、遺伝子とmiRNAの解析を並行して行う予定であったが、興味ある候補遺伝子が多く見出されたため、最終年度の解析は遺伝子のみに対象を絞る計画に変更する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
年度末に少額の研究費が残ったが、基金化により使用の自由度が上がったため、無理な使い切りは行わなかった。 本研究に必要な消耗品の購入に使用する。
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