2014 Fiscal Year Annual Research Report
絨毛細胞による母体らせん動脈の浸潤機構の解明ー母体血小板に着目してー
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24592470
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
佐藤 幸保 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 非常勤講師 (00508236)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤原 浩 金沢大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (30252456)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 血小板 / 血管リモデリング / 絨毛細胞 / 妊娠高血圧症候群 / 胎児発育不全 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成25年度はCD9分子がeEVTに高発現しており、母体血管リモデリングに関与している可能性を示した。平成26年度は補体関連分子であるCD59に着目した。補体は母体の自然免疫機構の一つである。補体は、古典経路・副経路・レクチン経路により活性化され、最終的に細胞表面に膜侵襲複合体を形成し、細胞溶解により細胞死をもたらす。ヒト着床部位におけるCD59の発現を免疫組織染色で調べたところ、CTB、cell columnおよびiEVTにはほとんど発現していなかったが、STBおよびeEVTに強い発現を認めた。分離EVT、Swan71細胞および絨毛癌細胞株BeWoにおけるCD59の発現を調べたところ、分離EVTおよびSwan71細胞にはCD59の発現が確認されたが、BeWoではCD59の発現をほとんど認めなかった。分離EVT、Swan71細胞、BeWo細胞をそれぞれ、ヒト血清加熱群(補体なし)あるいは非加熱群(補体有り)の存在下に培養し、生細胞数のWST assayで評価したが、すべての細胞において生細胞数に有意差を認めなかった。今後は、生細胞数には細胞死だけでなく、細胞増殖も影響するため、補体の影響を直接評価するためにアポトーシス解析を行う予定としている。加えて、実際に膜侵襲複合体が細胞表面に生じているかどうかを評価するべく、抗C9による免疫染色を予定している。 さらに平成26年度には、プロテオミクス法によるcell column内のEVTとeEVTの蛋白発現プロファイルの比較をおこなうことにも着手した。現在、共同研究者である京都大学総合解剖センター
鶴山竜昭先生の協力のもとホルマリン固定された妊娠初期ヒト着床部位の組織標本の連続切片を顕微鏡で観察し、cell column内のEVTとeEVTの細胞集塊をレーザー・マイクロダイセクションにて切り出す作業を行っている。
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Research Products
(6 results)