2014 Fiscal Year Annual Research Report
子宮頸管リモデリング制御におけるプロゲステロンシグナリングの作用分子機構
Project/Area Number |
24592488
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
桑原 慶充 日本医科大学, 医学部, 准教授 (40373013)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
片山 映 日本医科大学, 医学部, 助教 (10333113)
中井 章人 日本医科大学, 医学部, 教授 (20227721)
川端 伊久乃 日本医科大学, 医学部, 講師 (20328793)
竹下 俊行 日本医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (60188175)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | プロゲステロン / 早産予防 / 頸管リモデリング |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、プロゲステロン投与による早産リスクの低減が示されているが、子宮頸管組織への作用分子機構は明らかになっていない。本研究では、頸管リモデリングの中心を担うヒト子宮頸部線維芽細胞の培養系を用いて、LPSにより誘導される分子動態に対するプロゲステロンの効果を検証した。 予定帝王切開時に子宮頸部組織を採取し、継代培養による純化を行い、エストロゲン(10nM beta- estradiol) 存在下で前培養・継代後アッセに使用した。LPS (2.0μg/ml) and / or P4(1.0μM)添加/非添加の条件で12h培養を行った。mRNAを抽出し、リアルタイムRT-PCRにより、既知の早産病態関連分子:IL-6, IL-8, IL-1beta, PTGS2、およびPCRアレイ解析により抽出した各種MMPの分子動態について解析を行った。リアルタイムPCR解析において、いずれの分子もLPS添加による有意な発現増加を認め、この変化はIL6, IL8を除くすべての分子でP4添加により有意に抑制された。この系において低濃度LPS(0.2μg/ml)で刺激を行うと、IL-6, IL-8を含むすべての分子に於いてP4添加による発現抑制を認め、さらにLPS刺激の一時間前にプロゲステロンを前投与した場合、より顕著な抑制効果を認めた。 プロゲステロンは、子宮頚部維芽細胞より産生されるInterleukins, プロスタグランディン, MMP群を転写レベルで抑制する事により、頸管リモデリングを制御し、早産予防に寄与していると考えられる。この抑制効果は、低濃度LPS刺激および刺激前投与で有意に高く、早産病態が顕性化する前からの予防的投与の重要性が示唆された。今後は、P4添加による各分子動態の相違に着目し、プロゲステロンが阻害する細胞内シグナルの同定および解析を進めてゆく。
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Research Products
(4 results)