2012 Fiscal Year Research-status Report
卵巣明細胞腺癌に対するmTOR阻害剤によるEMT現象の制御とその応用
Project/Area Number |
24592536
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
恒遠 啓示 大阪医科大学, 医学部, 助教 (70388255)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 良道 大阪医科大学, 医学部, 助教 (10625502)
林 正美 大阪医科大学, 医学部, 助教 (00551748)
金村 昌徳 大阪医科大学, 医学部, 講師 (40298782)
田辺 晃子 大阪医科大学, 医学部, 講師 (70454543)
寺井 義人 大阪医科大学, 医学部, 准教授 (90278531)
山田 隆司 大阪医科大学, 医学部, 講師 (10182536)
朝日 通雄 大阪医科大学, 医学部, 教授 (10397614)
大道 正英 大阪医科大学, 医学部, 教授 (10283764)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | EMT / 明細胞腺癌 |
Research Abstract |
上皮間葉転換(EMT)とは上皮細胞が間葉系の細胞へと性質を転換する現象である。腫瘍細胞がEMT現象により形態を変化させ運動能を獲得することで、悪性腫瘍の浸潤・転移への関与が推定されている。EMTには様々なカスケードが知られているが、接着因子であるE-cadherinと転写因子であるsnail・slugに注目し、SnailまたはSlug核内染色陽性かつE-cadherinの減弱をもってEMT現象陽性と我々は定義した。そこでまず、当科で初回手術を行った上皮系卵巣癌200例のパラフィン切片から組織マイクロアレイ標本を作製し、EMT現象と臨床病理学的因子、予後と比較検討した。明細胞腺癌では、他の組織型と比較してEMT現象陽性率が高いことが判明した。さらに、腹腔内播種転移陽性群ではEMT現象は有意に高いだけでなく、EMT現象陽性では無増悪生存期間、全生存期間共に有意差をもって予後不良であった。多変量解析で解析したところ、EMT現象は独立した予後不良因子であった。 EMT現象の転写因子であるSnailやSlugはHIF-1αによって制御されていることが知られている。そこで次に、Western blottingでHIF-1αのタンパク質の発現を確認したところ、Normoxia環境下であっても卵巣明細胞腺癌細胞株であるRMG-1は、他の卵巣癌細胞株であるA2780、A2780cp、CaOv3、Skov3と比較してHIF-1αの発現率は高いことが分かった。さらに、RMG-1にm-TOR阻害薬を添付したところHIF-1αの発現を抑制されることが確認された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
おおむね 研究計画通りの検討ができているため
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Strategy for Future Research Activity |
プロモーターマイクロアレイを用いたHIF-1を介して起こるEMT制御遺伝子の検索 1)1~1.5 kb上流にHIF-1α;およびNF-Bの結合部位を含むプロモーターを有する遺伝子をコンピューターリサーチする。 2)その中で、腫瘍関連の遺伝子のプロモーター領域をPCR法にて増幅、精製した後、ハイブリスライド上にアレイプリンティングし、プロモーターマイクロチップを作成する。 RMG1、KOC7CおよびRMG1-CR、KOC7C-CR細胞から分離したCD24陽性細胞に1% hypoxiaの状態でEMT現象を誘発し、HIF-1抗体、およびNF-Bは(inhibitor of NF-B (I-B)がリン酸化されると核内に移行し転写活性が亢進するので)I-Bのリン酸化特異的抗体を用いchromatin immuno-precipitation (CHIP)を施行することによって、細胞内で活性化されたHIF-1α;およびNFκBが結合しているDNA-protein complex (cross-linked DNA)を選択的に抽出する 。その後、cross-linkingを解除し、活性化状態の転写因子HIF-1およびNF-Bが結合しているDNA (active DNA)のみを精製・抽出する。そのDNAを蛍光色素 (Cye-dye) にてラベルし、プロモーターマイクロチップ上でハイブリダイゼーションする。尚、positive controlとしてCHIPを施行しないDNAゲノムをnegative controlとしてnon-immune rabbit IgGでCHIPを施行したDNAを使う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度の研究費は、上記の研究計画に関わる、プロモーターマイクロチップ、CHIPなのの作成や実験に使用する予定である。
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Research Products
(2 results)