2013 Fiscal Year Research-status Report
先天性サイトメガロウイルス感染による聴覚障害の治療長期予後に関する研究
Project/Area Number |
24592555
|
Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
松井 隆道 福島県立医科大学, 医学部, 講師 (40404876)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
錫谷 達夫 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (40196895)
佐藤 真紀 福島県立医科大学, 医学部, 助教 (50423794)
|
Keywords | 先天性サイトメガロウイルス感染 / 聴覚障害 / 進行性難聴 |
Research Abstract |
1)対象となる聴覚障害児の診断、検査:新生児聴覚スクリーニングで要精検となった症例は、聴性行動反応検査と条件詮索反射聴力検査にて聴力閾値を測定し、他覚的聴力検査である聴性脳幹反応検査と聴性定常誘発検査にて周波数ごとの聴力閾値を測定した。難聴が確定した症例は本研究についての説明を行いICを得た上で臍帯の提供を受けた。 2)サイトメガロウイルス感染の臨床検査:当該年度は5例に対して臍帯の提供を受けた。現在解析中である。 3)サイトメガロウイルスと聴覚障害の重症度の関連の解析:これまでに人工内耳手術を施行した5例については装用効果と言語発達について追跡調査を継続している。人工内耳の装用効果は良好で言語発達も順調に認めている。聴取能検査として装用閾値は前例で良好な装用効果を認めている。言語発達としてはS-S法、日本語マッカーサー乳幼児言語発達質問紙、他にIT-MAIS、MUSSなどの検査を行っているが発達障害の合併の有無により差は認めるが全例で言語発達を認めている。 人工内耳未施行の症例については定期的な聴力検査を行っている。バルガンシクロビル治療後の患児の聴力検査も引き続き行っているが現在のところ聴力の悪化は認めていない。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
難聴の診断が得られ、臍帯検査やリンパ液によりサイトメガロウイルス感染が確認された症例の聴覚、言語発達について評価を続けており引き続き研究の継続を進める予定である。 新たに先天性もしくは進行性の聴覚障害の診断となった患児についても、本研究の説明を行い同意が得たのちに乾燥臍帯による先天性サイトメガロウイルス感染の有無について調査を行った。 本研究は長期間の聴力や発達の推移を追跡する必要がある。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成25年度同様に新生児聴覚スクリーニングで要精検査となった症例に対して精密聴力検査を行い難聴の診断を行う。診断が得られた症例に対して研究の説明を行い、サイトメガロウイルス感染の有無を確認する。保存臍帯、リンパ液を用いてサイトメガロウイルス-DNAをPCR法にて検査する(松井 錫谷)。 先天性サイトメガロウイルス感染が確定している症例では定期的な聴力検査、発達検査を行う。難聴の進行を来す症例については血液検査、尿検査にてサイトメガロウイルス量の測定を行う(松井 佐藤)。 得られた結果を集計し、先天性サイトメガロウイルス感染と聴覚について関連性を調査し学会報告、論文投稿を目指す。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
乾燥臍帯の提供者の人数が少なく検査数が少なかったこと。 投稿論文なかったことが要因と思われる。 消耗品(PCR試薬一式、リンパ液保存臍帯用機器)500,000円 旅費(国際学会、国内学会)600,000円 人件費(データ解析補助)300,000円 その他(論文投稿料) 305,346円
|