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2012 Fiscal Year Research-status Report

母体経鼻免疫における仔マウスにおける免疫学的メモリーの研究

Research Project

Project/Area Number 24592557
Research Category

Grant-in-Aid for Scientific Research (C)

Research InstitutionWakayama Medical University

Principal Investigator

保富 宗城  和歌山県立医科大学, 医学部, 准教授 (90336892)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 田村 真司  和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (10244724)
戸川 彰久  和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (70305762)
杉田 玄  和歌山県立医科大学, 医学部, 助教 (20407274)
玉川 俊次  和歌山県立医科大学, 医学部, 助教 (40543781)
Project Period (FY) 2012-04-01 – 2015-03-31
Keywords肺炎球菌 / 母体免疫 / PspA
Research Abstract

1.母体免疫による新生児マウスへの特異的免疫応答の誘導
PspAにて雌マウス(BALB/c)を1週間に2回計6回の経鼻免疫を行った。第1ー4免疫はコレラトキシンBをアジュバントとして用い、第5ー6免疫はPspA単独で行った。免疫後に雄マウスと交配し約3週間後に新生児マウスを得た後に、生後1週齢での新生児マウスの血清中の抗PspA特異的抗体価(IgA、IgG、IgM、IgGサブクラス)をELISA法にて検討した。また、新生児マウス脾臓よりリンパ球を分離しPspA刺激により培養を行った後の培養上清中のサイトカイン(IL-4、IL-17、IFN-γ)をELISA法にて、サイトカイン産生細胞数をELISPOT法にて検討した。
母体経鼻免疫された母親より生まれた新生児マウス血清中には抗PspA特異的IgG抗体が認められた。また、PspA刺激で培養された新生児マウス脾臓リンパ球の培養上清中にはIL-17が高値で認められると共に、IL-17産生細胞が認められた。
2.母体免疫による新生児マウスへの特異的免疫応答の免疫学的記憶
母マウスをPspAにて経鼻免疫を行った後に交配し新生児マウスを得た。新生児マウスを6週齢まで哺乳飼育した後にPspAにより再度刺激を行ない、免疫応答の変化について血清中抗PspA特異的IgG抗体価の変化を検討した。母体経鼻免疫母マウス由来の新生児マウスでは、6週齢では抗PspA特異的IgG抗体価は測定感度以下に低下していたが、PspA単独にて再刺激することで抗PspA特異的IgG抗体の再上昇を認めた。
以上の結果から、母体経鼻免疫由来の新生児マウスにおける免疫応答には従来までのTh1/Th2系免疫応答のみでなくTh17系免疫応答の関与が考えられるとともに、母体経鼻免疫により誘導されたPspA特異的免疫応答は長期間に記憶されている可能性が考えられた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

母体免疫による新生児マウスへの免疫応答の誘導は確認されており、現在新生児マウス脾臓リンパ球におけるサイトカイン産生のより詳細な検討を行っている。現在、Th1系サイトカインであるIFN-γ、Th2掲載とカインであるIL-4さらにTh17系サイトカインであるIL-17の検討はされており、さらにIL-1、IL-6、IL-7、IL-12p70、IL-22、TNF-αの検討を行っており、おおむね順調に進展している。
また、特異的免疫応答の免疫学的記憶についても、新生児マウス6週齢でPspA単独の追加免疫で、免疫応答が再上昇することが確認されており、母体経鼻免疫由来の新生児マウスでは、特異的免疫応答の記憶が存在することが確認されており、順調に進展している。

Strategy for Future Research Activity

今後、母体免疫による新生児マウスへの免疫応答の誘導における母乳栄養の影響について検討するとともに、免疫学的記憶による肺炎球菌感染予防の検討を行う。
1.母体免疫による新生児マウスへの免疫応答の誘導における母乳栄養の影響:脾臓リンパ球のサイトカイン産生に加えて、母マウス母乳中のサイトカインを検討することで、新生児マウスの免疫能の構築に母マウスの母乳栄養がどのように関与するかの検討を加えたい。
2.免疫学的記憶による肺炎球菌感染予防の検討:PspAによる再刺激がされた6週齢マウスにおける、抗PspA特異的抗体産生細胞の誘導について検討するとともに、肺炎球菌感染が予防されるかについて検討する。
以上の検討により、母体免疫が新生児マウスに感染防御のための長期免疫学的記憶を誘導することを明らかにしたい。とりわけ、免疫学的記憶による肺炎球菌感染予防の検討については、経鼻感染、肺感染、全身感染にたいする予防効果を検討するとともに、母体免疫された母マウスに、NOD/ShiJic-scid Jclマウス(NOD/SCIDマウス:T・B細胞機能欠如、NK活性・補体活性・マクロファージ機能低下マウス)仔マウスを哺乳飼育させることで、免疫不全マウスに誘導されるPspA特異的免疫応答の誘導、C57BL/6-Tg(CAG-EGFP)(通称グリーンマウス)を用い、グリーンマウス母親に野生型の仔マウスを哺乳させることで母乳中の抗肺炎球菌特異的抗体産生細胞の移行についての検討を加えたい。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

PspA母体経鼻免疫による免疫応答について以下の検討に用いる。
1.遺伝子組み換えPspAの単離
2.特異抗体価測定およびとサイトカインの検討(ELISAおよびELISPOT)
3.免疫不全マウス、グリーンマウスによる母体経鼻免疫による新生児マウスの免疫応答の構築の検討

URL: 

Published: 2014-07-24  

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