2013 Fiscal Year Research-status Report
内耳組織に発現する多機能タンパク質CASKの分子機能解析
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24592571
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
本田 晶 独立行政法人理化学研究所, 発生・再生科学総合研究センター, 研究員 (50443023)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北尻 真一郎 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (00532970)
喜多 知子 (嶋 知子) 独立行政法人理化学研究所, その他部局等, 研究員 (20362519)
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Keywords | 内耳形成 / 蝸牛神経 / 有毛細胞 / CASK / コンディショナルKOマウス |
Research Abstract |
1 CASK欠失の蝸牛神経系への影響 すでにCASKコンディショナルノックアウト (cKO) マウスにおいて、蝸牛神経細胞の減少が認められている。神経細胞数の減少は平均して15%程度であり、これは蝸牛神経に占めるII型神経細胞の割合と一致することから、II型神経細胞が特異的に減少しているのではないかと考えられた。この仮説は、cKOマウスで外有毛細胞(outer hair cell)の若干の減少が認められている事実からも支持される。今回、抗MBP (Myelin binding protein) 抗体を用いて型別の神経細胞数のカウントを試みたが、市販の抗体では安定した染色像が得られなかった。そこで実験を抗ニューロフィラメント抗体による染色に切り替え、外有毛細胞に接合する神経軸索の数およびその形態について、WTマウスとcKOマウスから得られた蝸牛組織で比較を行なった。その結果、cKO蝸牛において外有毛細胞に接合する神経軸索の明らかな減少が認められた。 2 CASKノックアウトマウスの血管条解析 当初得られた免疫染色像から、CASKが血管条に強く発現しており、その機能に関与する可能性が示唆された。今回、cKOマウスの血管条を詳細に観察することにより、CASK欠失の血管条への影響を調べた。免疫染色実験の結果、アクチン線維や微小管などの細胞骨格系、およびタイトジャンクションなどの細胞間接着系のシステムを構成するタンパク質の細胞内局在において、WTマウスとcKOマウスとで有為な差は認められなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
現状の問題点として、以下の2つが上げられる。 1 CASKコンディショナルKOマウスの発生率が低いこと。現在、前年に引き続き、代理母およびIVF利用による改良を行っているが、有為な改善は見られていない。また理由は不明であるが、CASKヘテロ母マウスは育児放棄する傾向が強い。 2 得られたcKOマウスについて、当初に認められた表現型(蝸牛神経細胞数の顕著な減少)にばらつきが見られ(つまり、細胞数の非常に顕著な減少が見られる場合と、軽度な減少に留まる場合がある)、このばらつきがその他の評価系や実験にも深刻な影響を及ぼしている。
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Strategy for Future Research Activity |
蝸牛神経細胞の減少については、今後も引き続き、神経細胞の型別 (I型、II型) の選択的な染色を試みる予定である。この結果が得られたのち、さらに前庭神経について同様の解析を行ない、これまでに得られた内耳機能検査(聴覚および平衡覚)の結果と併せ、今年度中の論文投稿を目指す。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究分担者(北尻真一郎)が当該年度に購入予定であった試薬の一部が、計画の遅れによりいまだ未購入であるため、次年度使用額(4,410円)が生じることとなった。 次年度使用額(4,410円)については、研究分担者(北尻真一郎)が試薬、チューブ等の消耗品にかかる費用の一部として使用する予定である。
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