2013 Fiscal Year Research-status Report
気道リモデリングの嗅粘膜障害への関与―好酸球性副鼻腔炎の嗅粘膜分泌異常の解明―
Project/Area Number |
24592579
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Research Institution | Dokkyo Medical University |
Principal Investigator |
春名 真一 獨協医科大学, 医学部, 教授 (60198934)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
深美 悟 獨協医科大学, 医学部, 准教授 (00311944)
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Keywords | 嗅粘膜 / 好酸球性副鼻腔炎 / 複合糖質 / 嗅覚障害 |
Research Abstract |
1) マウスリモデリングのモデルを作製した。BALB/cマウスの腹腔内にovalalbumin(0VA)4μgを2回注入する。慢性モデルを作製するために17日~37日までOVAを毎日吸入させて40日目に屠殺し、リモデリングモデルを作製した。鼻腔粘膜の好酸球浸潤が観察され、上皮細胞障害、杯細胞と基底膜肥厚が認められた。嗅粘膜でも呼吸粘膜ほどではないが軽度の好酸球浸潤、上皮細胞障害、基底膜肥厚が観察された。また粘液線のボーマン腺の増勢も観察され、分泌亢進が予想された。レクチン免疫染色にてConA, SNAの発現があり、粘液の変化が示唆された。 2)人好酸球性副鼻腔炎の嗅粘膜と呼吸粘膜との複合糖質を検討した。呼吸粘膜上では著明な好酸球性浸潤とともに上皮細胞障害、胚細胞増勢が見られた。好酸球顆粒蛋白(ECP, MBP)を免疫染色すると、ともにほとんどすべての好酸球に発現を認め、活性化状態であることが示された。 嗅粘膜では好酸球浸潤は少なく、基底細胞肥厚も軽度であった。嗅粘膜上でのECP, MBPの発現は少なく、強い活性状態でないこと予想された。またボーマン腺の増勢が認められ、ConAの発現が観察された。 3)嗅粘膜を細胞培養の予備実験をおこなった。マウスの嗅粘膜上皮と繊維芽細胞や脳アストログリアの再構成による嗅粘膜の三次元培養に上皮細胞の分化を支持すると言われるVitamin A 加無血清培地と血清培地にて試みているが、まだ培養株を確立していない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
マウスでは多くの嗅粘膜の採取が可能だが、人嗅粘膜はごく微量なので、的確な評価をするのが難しいので。また細胞培養でも、組織量が少なく、確立の困難さがある。
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Strategy for Future Research Activity |
ステロイド薬の投与前後における嗅覚障害の改善の有無と嗅粘膜の組織学的変化について観察する。またステロイド抵抗因子についてAmphiregulinの存在を観察する。 嗅粘膜上皮を細胞培養し、単離末梢好酸球を添付し糖蛋白分布とNO合成能の変化を把握し、嗅粘膜の修復能力を検討する
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本年度は、昨年購入した試薬で十分に組織学的評価が可能であった。 また動物購入費も予想より低かった。 次年度の実験費用がかさむ可能性があった。 次年度に細胞培養を中心に研究を進める予定であり、その器具および試薬を多く購入するため
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Research Products
(10 results)