2013 Fiscal Year Research-status Report
3次元気流解析(CFD)に基づいた内視鏡下鼻内手術の最適化の検討
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24592586
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Research Institution | 独立行政法人国立病院機構(東京医療センター臨床研究センター) |
Principal Investigator |
野村 務 独立行政法人国立病院機構(東京医療センター臨床研究センター), 代用臓器開発研究室・発生医学研究室, 研究員 (20228365)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
角田 晃一 独立行政法人国立病院機構(東京医療センター臨床研究センター), 人工臓器・機器開発研究部, 部長 (30197751)
近藤 健二 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (40334370)
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Keywords | 気流解析 / 鼻腔 |
Research Abstract |
アレルギー性鼻炎や慢性副鼻腔炎などの炎症性鼻副鼻腔疾患に対して内視鏡下鼻内手術が数多く施行されているが、気道の形成、嗅覚、air conditioning作用、共鳴作用という基本的な機能を術後に最適化するためにどのような手術手技を採用すればよいのかという点についてはエビデンスが蓄積されていない。この点に鑑み、本研究ではCTを基にした鼻副鼻腔の3次元再構築と気流解析を行い、これまでの手術手技を気流という観点から再検討して内視鏡下鼻内手術の手技の最適化のためのエビデンスを確立することを目的とする。現在我々は正常人、鼻中隔穿孔患者の気流解析を開始しており、本研究ではさらにこれを鼻副鼻腔手術一般に展開し、最終的には個々の患者の病態に合わせて最適な手術操作のシミュレーションを術前に行うという内視鏡下鼻内手術のオーダーメイド化を確立することが目標である。 正常の鼻副鼻腔の3次元ボリュームデータを作成、メッシュ化し、モデルを作成する。ANSYS FLUENTを用いて、気流と乱流の解析、せん断応力の測定、鼻腔内の温度分布を測定した。現在、鼻中隔穿孔患者2名の気流解析を行った。患者の術前、術後の状態の比較検討を行った。穿孔閉鎖後では、応力集中の低下を認め、正常な気流状態に回復していた。 2例の手術前後における気流の変化を数値化し、現在論文を投稿中である。 今後はさらに症例を重ね、データを集積する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
データの集積、解析は順次行っている。 論文の作成に時間を要したが、現在投稿論文の採択を待機中である。
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Strategy for Future Research Activity |
現在までに鼻中隔穿孔患者2例の分析を行った。 今後は副鼻腔炎患者、鼻中隔弯曲症患者の術前、術後の比較検討を行い、症例ごとの最適な内視鏡下鼻内手術を開発するために、分析をすすめていく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当該年度に購入予定であった、ソフトウェアの販売が中止となり、代替ソフトを探索したが、有効な解決方法を見出せなかった。 このため、次年度にさらに分析を行い、代替品の購入を予定した。 前年度に購入できなかった分析ソフトの購入および、消耗品の購入を予定している。
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