2014 Fiscal Year Annual Research Report
角膜輪部ニッチ様細胞と接する角膜輪部上皮タイニーセルの解析
Project/Area Number |
24592646
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Research Institution | Tokyo Dental College |
Principal Investigator |
比嘉 一成 東京歯科大学, 歯学部, 助教 (60398782)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 角膜上皮幹細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
角膜輪部には角膜上皮幹細胞が存在し、骨髄幹細胞のようにその幹細胞を維持する環境であるニッチの存在が考えられる。我々は昨年本研究において、Matrigelと輪部フェノタイプ維持培地で培養すると、培養1ヶ月後においても角膜輪部上皮のフェノタイプを維持したspheroidを形成することを報告した。今回はさらにニッチの培養条件を確立するため、spheroidの低酸素培養を試みた。 角膜移植後の輸入角膜輪部組織をcollagenase処理し、回収した輪部上皮周辺の細胞をMatrigel上に播種した。培養は上皮シート作成時に角膜輪部フェノタイプを維持するKGF+Y27632添加培地を用いて、通常酸素濃度(20%)と角膜輪部上皮の分化を抑制する低酸素濃度(2%)で1ヶ月間培養した。両条件で形成したspheroidの形成数と大きさの比較を行うとともに、spheroidの凍結切片を作成し、組織学的解析も行った。また、幹細胞の一つの特性としてslow cycling cellの検出を行うため、BrdU染色ならびにDNA細胞周期解析も行った。 【結果】培養1ヶ月後において、低酸素培養では通常培養よりも小さいspheroidを形成した。また、低酸素培養において、角膜輪部フェノタイプを示すK15, p63の発現はspheroidの辺縁部で認められた。さらに、低酸素培養において角膜輪部基底層で発現するN-cadherinの発現も認められた。低酸素培養においてBrdU陽性細胞が多く観察され、Cell cycleのG0/G1期の細胞も多く観察された。 【結論】Matrigelと KGF+Y27632添加培地と低酸素の培養条件では、培養1ヶ月後においてN-cadherin陽性のspheroidが認められたことから、slow cyclingを維持するニッチ様構造が保たれた優れた培養条件であることが示唆された。
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