2014 Fiscal Year Annual Research Report
アデノウイルス性結膜炎の早期探知と早期病原体診断による流行の正確な把握と制御
Project/Area Number |
24592662
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Research Institution | National Institute of Infectious Diseases |
Principal Investigator |
藤本 嗣人 国立感染症研究所, その他部局等, その他 (60446771)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | アデノウイルス / サーベイランス / 早期探知 / 組換え型ウイルス / 眼科 / 小児科 |
Outline of Annual Research Achievements |
【目的】本研究の目的は、年間100万人以上発生しているアデノウイルス性結膜炎の早期探知と早期病原体診断による流行の正確な把握と制御である。 【成果】我々は、本研究の期間に全国から検体を集め、これまで知られていなかった48型変異株を結膜炎患者から世界で初めて検出した。論文発表[JJID, 2014]、同じ組換え型を異なった地域の結膜炎患者からも検出し、国立感染症研究所のホームページで全国に向けて公表した[IASR, 2014]。また、これまでアデノウイルス56型はロシアでの検出に関する論文および中国での塩基配列の登録しか報告がなかったが、辰己ら(島根県保環研)と我々により日本に存在することが明らかになり、さらに他地域でも6型または型別不能とされていたことを示した[IASR, 2014]。 アデノウイルス53型、54型および56型は日本で流行性角結膜炎(EKC)を引き起こしているが、56型が咽頭結膜熱(PCF)を小児で引き起こすことがあることを明らかにした[JJID, 2012]。さらに、EKCを発症した両親から子供が感染してPCFを引き起こしている事例を見出し、56型の病態が他のD種アデノウイルスと異なっている可能性が示唆された。日本でEKCを引き起こしている53型および54型は小児の呼吸器感染症を引き起こしていなかった。3年間に約400件のアデノウイルスが検出され、呼吸器感染症の患者からはアデノウイルス 1~6型、8型、56型が、眼感染症の患者からは2~5型、8型、11型、37型、53型、54型、56型、64型および前述のD48 [P65H48F60]が検出された。
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