2014 Fiscal Year Annual Research Report
抗がん効果を付加した遊離組織皮弁(免疫皮弁)による新しいがん免疫療法の開発
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24592725
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Research Institution | Shizuoka Cancer Center Research Institute |
Principal Investigator |
井上 啓太 静岡県立静岡がんセンター(研究所), その他部局等, その他 (80618520)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
秋山 靖人 静岡県立静岡がんセンター(研究所), その他部局等, その他 (70222552)
中川 雅裕 静岡県立静岡がんセンター(研究所), その他部局等, その他 (00285793)
清原 祥夫 静岡県立静岡がんセンター(研究所), その他部局等, その他 (70205037)
宇田 宏一 自治医科大学, 医学部, 准教授 (20337306)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 免疫療法 / 遊離皮弁 / 樹状細胞 / 形成外科 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、遊離皮弁に抗腫瘍効果を付加して局所の悪性腫瘍制御をおこなう新しい治療(免疫皮弁法)の開発である。24年度はマウスモデルを試作、25年度はラットモデルの確立を行った。26年度は25年度に引き続きラット鼡径皮弁移植部にポケットを作成してポケット内に腫瘍細胞を包み込むモデルによる解析を行った。腫瘍移植後、樹状細胞を注入した免疫皮弁または注入しない免疫皮弁を被覆し腫瘍割面面積の測定を行ったところ、免疫皮弁移植群において腫瘍面積が有意に縮小した。また、皮弁組織を回収して遺伝子検索を行ったところ、抗腫瘍免疫応答の存在を示唆する遺伝子群の発現増強を認めた。また、脾臓におけるCTL活性の上昇、Th1細胞の活性化に関与するサイトカインであるIL-2、IFN-γの上昇を認めた。また、組織学的検索においてCTLの腫瘍内への浸潤を認めた。したがって、免疫皮弁移植群において認めた腫瘍縮小効果は樹状細胞による腫瘍免疫によるものであることが推察された。この結果からラットモデルにおいて、樹状細胞ワクチンによる抗がん効果を付加したがん免疫皮弁療法は、局所的にがん免疫を誘導することで局所病変の制御が可能であり、さらに全身のがん免疫応答の賦活化が可能であることを証明した。将来的に新しいがん免疫療法として臨床応用につながる結果であると考えられる。上記の内容について、Cancer Science誌に論文投稿し、受理、掲載された。
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Research Products
(2 results)